仙台市が環境省の脱炭素先行地に 市長「ゼロカーボンシティの実現目指す」

環境省は7日、政府目標の2050年度に先駆けて30年度までの脱炭素化に取り組む「先行地域」の第4弾として、仙台市などの12件の提案を選定した。これで先行地域は36道府県95市町村の計74件となった。取り組みに対して最大50億円の交付金が受けられる。環境省は25年度までに100件の選定を目指している。

 仙台市は東北電力、カメイ、アイリスオーヤマ、東北大など14の企業・団体と共同提案。市中心部の定禅寺通エリアで飲食店やオフィスが営業・業務を継続しながら、化石燃料など1次エネルギーの消費を実質ゼロにする「ZEB(ゼブ=ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」を導入してビルの改修を進める。

 定禅寺通エリアから排出された事業系生ごみと、ケヤキ並木を剪定(せんてい)した際に出た枝をバイオマス発電の原料として使う。市営バス24台、みやぎ生協の配送トラック126台などの電気自動車化に取り組む。

 市内最大の住宅地、泉パークタウン(泉区)では既存住宅400戸に太陽光発電(計2240キロワット)、蓄電池を導入。設備を自動制御するエネルギーマネジメントを行う。事業期間は24~30年度までの7年間で、総事業費は約131億円を見込む。

 郡和子市長は7日の定例記者会見で「定禅寺通に多い中小の雑居ビルの脱炭素化は全国的な課題で、意欲的な取り組みだと評価された。市民、事業者の協力を得て(温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す)ゼロカーボンシティーの実現を目指す」と述べた。

 先行地域の選定は22年に始まった。東北では既に東松島市や秋田県大潟村、青森県佐井村など山形を除く5県から8件が選ばれている。

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