北茨城市の人気の秘密は“苔”かと思いきや…
山内あゆキャスター:
急激に外国人観光客が増えた町というのを10月13日放送のNスタでもお伝えしましたが、そのとき第3位だったのが茨城県の北茨城市。コロナ前の水準と比べて、50.6倍の人が来ているということでした。
ただ、前回の放送では、増えたワケは「よく分からない」ということだったんです。ですから我々が調べたところ、ついに分かりました。
ではまず、どんなところを調べたかというと、北茨城市にあるいくつかの観光地です。
たとえば美術館。それから、海辺に立つ六角堂。像の形に見える二ツ島。そして花園神社。それぞれに取材をしましたが、「外国人は増えていないと思う」という回答でした。
しかし、ここで有力な情報がやってきました。今回のデータを出したナビタイムジャパンの藤澤政志さんいわく「北茨城に苔の施設がある。東南アジアなどでプロモーションをしているので来ているのでは?」とのこと。確かに盆栽や苔というのは、海外の方に人気ですよね。
ということで、調べました。苔の栽培・販売などをしている「苔のさと」の高橋茂さんによると、お客さんのほとんどが…日本人!
厚切りジェイソンさん:
苔じゃないんかい!
山内キャスター:
違うんですね。
さらにNスタでは前回(10月13日)、北茨城市の商工観光課にも話を聞いていました。この時点では、どこに来ているのか検証中だったんです。
11月7日、この1か月の検証結果はどうなったか聞いたところ「外国人労働者は増えているのですが…観光客が増えた理由は分かりませんでした」とのことでした。
日比麻音子キャスター:
観光課の方が分からなかったら、お手上げじゃないですか。
山内キャスター:
そう思いました。もはやここまでと思ったとき、ナビタイムジャパンの藤澤さんから、ついに有力情報が!
ホラン千秋キャスター:
今度こそ!
山内キャスター:
藤澤さんいわく「北茨城の謎が解けました。『ELM On The Beach』(エルム・オン・ザ・ビーチ)という宿泊施設が外国人に人気のようです」とのことで、取材しました。
日本の暮らしが体験でき、海も近い好立地の宿!
やってきたのは、北茨城市の住宅街。この一軒家が「ELM On The Beach」です。さっそくお邪魔しました。
クリスさん
「ハロー、ウェルカム to ELM。僕はクリスです。イギリスから来ました。日本に15年くらい住んでいるんです」
経営するのはイギリス出身のクリスさんと、妻の麻未さんご夫婦です。
2年前に、中古で2軒の戸建てを購入。そのうち1軒を、2023年1月から宿泊施設としてオープンしました。すると…
クリスさん
「ヨーロッパとかアジア・タイ人も多いです、最近は。お客さんは400人くらいいってるんじゃないかな」
なんと、400人以上の外国人観光客が泊まっているといいます。一体、どんな魅力があるのでしょうか?
山内キャスター:
北茨城の謎。それがクリスさん一家が営む、外国人に人気の「ELM On The Beach」という宿泊施設だったんです。
敷地の中に二つ建物があって、一つがクリスさんのおうち。もう一つが宿泊施設になっており、いわゆる民泊施設のように、資格を得て営業しているということでした。
一軒家の貸し切りタイプで、宿泊費は1泊・朝食付き。4人だと1万1520円からで、大体1人3000~4000円で泊まれるということになります。
2023年オープンなのに、すでに400人以上が利用して、2024年6月まで予約が入っています。もちろん空いている日もありますが、もうそこまでの人気で、クリスさんは別の宿泊施設もオープン予定だということです。
お部屋の中の様子をみると1階にキッチンとリビング、バスルームなどがあって、2階がベッドルーム。キングサイズのベッドと畳敷きなので、ここにお布団を敷いて、最大7人まで泊まれるということでした。
これで謎が解けました?
ホランキャスター:
え、でも(外国人観光客数の伸び率)50倍!?
いや、すごい素敵なところだと思うんですけど、400人以上が利用してて、でも50倍という数字は…。
山内キャスター:
ということは、もともと北茨城の観光客は8人ぐらいだったという計算で合っていますよね。
ホランキャスター:
そういうことになっちゃうじゃないですか!倍率ってなんとも言えないわね。
山内キャスター:
海外の方に人気の「ELM On The Beach」は、旅行サイトの口コミによると「ロケーション最高!海がすごく近い!」。
Googleで見てみると、こんなに海まで近く、徒歩1~2分だそうです。サーフボードも貸してくれるので、サーフィンを楽しむことができるということでした。
もう一つ口コミで、「クリスさん一家が気さくでとても楽しい」という声がありました。ときどき一緒に夕食を食べたりすることもあるということで、こうなるとリピーターが増えますよね。
厚切りジェイソンさん:
友達感覚でね。実際に自分の言語でいろいろ教えてくれたり、いいですね。
山内キャスター:
さらに、朝食付きとありましたよね。朝食は、クリスさんのところで育てている鶏さんの産みたての卵を使って…。
厚切りジェイソンさん:
よかったよかった、卵のほうを食べるんですね。
山内キャスター:
鶏ではなくて、卵を使ってクリスさんが作る、イングリッシュ・ブレックファストだそうですよ。
厚切りジェイソンさん:
おいしそう。でも、イングリッシュなんだ?和食じゃないんですね。
ホランキャスター:
確かにね。でも、「朝は馴染みのあるものを」ということなのかもしれません。ここに来ないと味わえない、絆みたいなものがありますから。
厚切りジェイソンさん:
それもありますし、いつも多くの観光客が泊まってるところだったら観光客向けのものになるんですけど、これだと本物の、日本の普通に生活してる人たちの生活が見られるというのは魅力的だと思いますね。
ホランキャスター:
家も、私たちがよく知っているおうちですもんね。
日比キャスター:
日本の暮らしを体験していただける。ビーチも、プライベート感があってすごくいいですよね。