インフラの破損をアプリで通報 宮城県土木部が住民に協力呼びかけ

県土木部は、道路や河川堤防といった県が管理するインフラで、陥没やひび割れなどの不具合を見つけた住民が、スマートフォンを使って県に通報できるアプリを導入した。県内各地から寄せられる写真付きの情報を基に、速やかに補修を進める。

提供写真で補修迅速化

 名称は「緊急インフラ異常箇所通報システム」で、マイナンバーカードと連携したデジタル身分証アプリ「ポケットサイン」の中のミニアプリ。

 例えば、穴が開いた道路を見つけたら、写真を撮ってインフラの種類を選択。破損の具合などを説明し、地図上で場所を特定する。入力作業は数分で終わる。

 通報を受けた県や委託管理業者は、内容の確認作業を実施。すぐに現地に向かい、対応する場合もある。川に油が流出していたり、大量の魚の死骸が浮いていたりする状況なども想定している。

 土木部の担当者は「これまでインフラの異常は電話によって寄せられてきたが、場所の把握に時間と手間がかかっていた。アプリにより迅速な対応ができるようになる」と話した。

 登録にはマイナンバーカードが必要だが、通報システムは匿名でも利用できる。2日に始まった使用の状況を踏まえ、来年4月から本格運用する。

 仙台空港(名取市、岩沼市)で2日にあった県土木部の設立90周年を祝うイベントで披露された。みやぎ絆大使で俳優の山谷花純(やまやかすみ)さん(仙台市出身)が通報を体験した。山谷さんは「宮城は自然災害が多い。便利なアプリができた」と話した。

タイトルとURLをコピーしました