「求む! こけし材の運搬ボランティア」 宮城・鳴子の組合 高齢化でマンパワーに限界

鳴子木地玩具協同組合(宮城県大崎市)は、こけしの材料となるミズキを確保するため、13日に行う運搬作業を手伝うボランティア約10人を募っている。用材入手が年々難しく、山林からの運び出しも工人の高齢化でマンパワーに限界があり、組合は「どうか助けてほしい」と訴える。

 組合では工人がそれぞれミズキを購入してきたが、近年は林業従事者の高齢化や死去で安定的な確保が難しくなった。若手工人らが奔走し、3年ほどかけて旧鳴子町が20~30年前に植樹した市有林を見つけ、68本の伐採にめどがついた。

 ただ、トラックが入る林道までの10~30メートル、長さ2メートルに切った重さ数十キロの木材約200本を運ぶには人力が必要。工人はほとんどが60代後半を超えて力作業に不安があり、急きょ一般募集に踏み切った。

 13日は午前9時に市鳴子総合支所駐車場に集合し、車で現地に移動。正午まで作業し、午後0時半に解散する。参加者には記念品として鳴子こけしを贈る。小雨決行。汚れてもいい服装で、軍手とタオルは持参。

 ミズキは伐採後1年ほどで劣化するため、継続的な確保が課題だ。工人の柿沢是伸さん(49)は「用材の確保が当たり前じゃなかったことに気付いた。協力してくれる官民の林地を探し、植樹と伐採で次の世代へのサイクルをつくれたらいい」と先を見据える。

 参加者は12日午後5時までに申し込む。連絡先は組合(日本こけし館内)0229(83)3600、メールinfo@kokesikan.com

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