テレビ朝日が12日に放送した、旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.)に関する1時間の検証番組に不満の声が上がっている。
同番組では、報道と制作の現場にいた局員、OB計103人の証言を紹介。制作の7人が同事務所に対して「忖度があった」と答えた。
証言について、VTRで登場した同局のコンテンツ編成局常務・西新氏は「旧ジャニーズ事務所が近年、非常に大きくなり、人気のスターやグループが多数在籍することから、会社マターとして編成や制作の幹部が直接交渉に動くことが多く、忖度という空気が徐々に醸成された」とした。
続けて「今月には新しいエージェント会社が決まり、組織なども整備されて業務が開始されると聞いている。これまでの反省を踏まえ、お互いに公正かつ透明性を持ったビジネス関係を構築できればと考えております」と意気込んだ。
かねてテレ朝は旧ジャニーズ事務所との〝ズブズブぶり〟が指摘されてきた。
例えば、同局が東京・有明に複合施設「東京ドリームパーク」を2026年春の開業を目指して建設予定だが、その目玉こそ、年間180公演を行うとされる〝ジャニーズ劇場〟だ。
同局関係者は「常務の言葉はドリームパークを念頭に置いてのもの。性加害の補償はまだ履行されているとは限らないのに、ビジネス継続を宣言するのは時期尚早ではないか」と批判する。
それだけではない。音楽番組「ミュージックステーション」(Mステ)に旧ジャニーズ事務所のアイドルが毎週のように出演するため、他事務所の競合グループがキャスティングされにくいと言われているほか、同局の旧社屋(現在は取り壊し)には同事務所のリハーサル室があったことが報じられている。だが、検証番組ではそれらについての説明はなし。
制作会社関係者は「忖度があったという証言を放送するなら、そこの部分も調査を実施し、視聴者にわかるように説明すべきだった」と不満をあわらにした。