もっと読みたい>>損得ではなく「幸せか幸せじゃないか」を考える。倉敷のデニム工場が見据える世界。
ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、アメリカのニュース雑誌「タイム」12月4日号の表紙に登場し、日本へ警鐘を鳴らした。
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長
柳井氏は同誌のインタビューで、「低迷する日本経済だが、現在は欧米を上回るペースで成長すると予測されている」「日本の証券取引所は30年ぶりの高値に乗っている」など日本経済に対して楽観的な見方をする人々に、「目を覚ませ」と喝を入れた。
「日本は先進国ではない。30年間も休眠状態にあったのだから」
柳井氏がこう語る背景について同誌は、日本政府が税収をはるかに上回る予算を組んでいると指摘。
実際の日本政府の予算を見てみると、2023年度の税収は69兆4400億円に対し、予算は114兆3812億円と過去最大に膨れ上がった。差額は国債などで賄っており、31.1%を借金に頼っている。
さらに同誌は日本の政府債務残高がGDP比で264%と世界最高額に達しているにも関わらず、日本の名目賃金は1990年から2019年にかけてわずか4%しか上昇していないことにも言及。生産性はG7最下位だと指摘している。
ファーストリテイリングは2023年3月、日本国内従業員約8400人の賃金を最大40%引き上げたが、「まだ低い、もっと高いはずだ」と柳井氏は言う。
「北京や上海では、日本の同等の役職に比べて2〜3倍の報酬をもらっています」
柳井氏は日本政府に金利引き上げや給付金の削減、抜本的な規制変更などを求めた。