仙台市教委は19日、仙台城跡(青葉区)の大手門復元に向けた発掘調査で初めて見つかった礎石跡を一般公開した。市民ら約400人が脇櫓(やぐら)(隅櫓)北西側の現地を訪れ、在りし日の威容に思いをはせた。
門の柱の位置を具体的に推定できる痕跡が見られる1日限りの機会。参加者は柱の重みで礎石が沈下するのを防ぐ直径5~18センチの丸い「根固め石」が密集する遺構をじっくり観察し、写真に収めた。
東北大2年中川喜弘さん(20)=青葉区=は「(戦後の道路整備に伴う)掘削があと10センチでもずれていたら跡は確認できなかっただろう。ぎりぎり残って良かった」と喜んだ。
9月からの調査で見つかった瓦片や鉄くぎ、焼夷(しょうい)弾の破片などの遺物31点も展示された。一部は1945年の仙台空襲で焼けたとみられ、赤く変色していた。
多賀城市の多賀城小6年外林海星君(11)は「写真で見ると大きく立派な門だったのに、空襲で焼けたのはもったいない。復元を楽しみにしたい」と話した。
大手門は藩制時代初期に創建された。市教委は仙台藩祖伊達政宗の没後400年となる2036年度の復元を目指している。