「ビッチ、死ね」と言いながら女性を失神するまで暴行…警察も言葉を失った”自称・実業家”の蛮行

「できる限り長く刑務所に入ってほしいです」

証言台に立ったA子さんは、被告に対する厳罰を求めた。9月のある日、東京地裁では下田洋佑被告(36)による強姦事件の裁判が行われていた。

「事件が起こったのは昨年9月末。下田被告は知人のA子さんを半ば監禁状態にしたうえで4日間にわたって暴行。10月2日、駆けつけた目黒署員によって現行犯逮捕され、傷害と強制わいせつ、強制性交の罪で起訴されています。警察関係者が『ここまで酷い暴行事件はちょっと聞いたことがない』と声を詰まらせるほどの凶行でした」(全国紙社会部記者)

全国に支社を持つ大手探偵会社の代表を務めたこともあるという下田被告。

下田被告の知人がその実情を明かす。

「彼は日頃から自身のSNSでリッチな生活ぶりをアピールしていました。いわゆるキラキラ写真と呼ばれる類のものです。おかげでネット上には、彼のファンクラブのようなものまでできていた。

下田は自分のファンたちを『オーシャン』と呼び、グループラインまで作っていました。ただ、あいつがSNSにアップしていた高級外車は知り合いの社長に借りたもの。リッチな生活はあいつが作り出した虚像なんです」

「八王子の暴走族出身で一時期は暴力団にも所属していた」とも周囲に話していたという下田被告。逮捕当時の取材で、A子さんは本誌に「何度も死を覚悟した」と話していたが、公判で明かされた下田被告の犯行は彼の凶暴性がうかがえるものだった。

裁判当日は被害者のプライバシー保護のため、証言台にパーテーションを設置。傍聴席からも下田被告からもA子さんの姿が見られないような配慮のもと、公判はすすめられた。下田被告は少しやつれた様子で被告人席に座り、検察側の質問を受ける彼女の言葉に無言で耳を傾けていた。

今回の裁判の争点となっているのが「同意の有無」である。下田被告は傷害については一部をのぞいて大筋で認めているが、二人は半ば交際関係にあったとして、強制性交等の性被害は否定している。犯行が行われた当時、両者の関係は修復しており、同意の元の性交であったと反論しているのだ。8月31日に行われた公判で下田被告の弁護人は事件を「愛憎の物語」と表現。一部無罪を主張した。

一方、A子さんは、下田被告と仕事関係の繋がりで知り合ったのは約7年ほど前だと証言。事件当時、A子さんは新居探しと引っ越しのため、1ヵ月半ほど下田被告の自宅を間借りしていたという。事件が発生したのは、彼女が新居の賃貸契約を済ませ、被告宅を後にする予定日だった。

暴行の発端となったのが、A子さんが知人男性B氏と行った箱根旅行だった。下田被告は「自分に内緒でA子さんが旅行に行った」として激怒。ここから数日間にも及ぶ蛮行が行われたという。

「帰宅した下田氏が突然『お前のしていることを知っているぞ』と激昂。彼女を引きずるようにして玄関の外へと追い出すと『ビッチ、死ね。これからが楽しみだ。ざまぁみろ』『社会的に生きれないようしてやる』とのメッセージをLINEで送信。

そのうえで『これをネットに晒すからな』という言葉とともにA子さんが入浴する様子を収めた写真を送りつけています。『やめてください』と懇願する彼女に構わず、下田被告は『今、ネットにあげたぞ。みんなが見てるぞ』と返信。法廷でA子さんは写真について『撮影された覚えがないもの』と証言しています」(傍聴した関係者)

着の身着のまま家を出されたA子さんは仕方なく、新居として賃貸契約をしたばかりの渋谷の自宅マンションへと避難。すると下田被告からこんなメッセージが送られてきたという。

「今、お前の家の前にいる。ドアを開けろ」

逃げ場がないと悟ったA子さんは言われるがままドアを開けた。部屋に入った下田被告は「許さねぇ」「死ね、ビッチ」などと彼女をなじりながら、その場にあった灰皿やリモコン、アイコスを使って正座させた彼女の顔を執拗に殴打。A子さんの証言ではその後、服や下着を脱がせ、スマホを投げつけてから出て行ったという。

解放されたと安堵したのも束の間、すぐに下田被告から「身一つで今から俺の所へ来い」と連絡が入ったとA子さんは言う。身の危険を感じたA子さんが知人に「この後、丸1日、私と連絡が取れなかったら警察に行ってほしい」と告げて、目黒の被告宅へと向かった。そして再び被告による暴行が始まる――。

以下、A子さんの裁判での証言を元に羅列した主な犯行の様子である。

・背中を蹴飛ばし、仰向けの状態になったところに馬乗りになり、手の甲で顔や体を殴りつける。腕や太もも、足などを足蹴り。

・「今すぐ俺の目の前で目黒川に飛び込め」と指示。従おうとすると「お前、このまま警察に行くつもりだろ。やっぱりやめだ」と中断。

・「動画を撮るからオナニーをしろ」と命令。「嫌だ」と抵抗するA子さんを「嫌だじゃねぇよ」と強引に下着まで脱がし、床に座らせて自慰行為を強要し、動画を撮影。「今後、逃げたり、警察に行ったらネットにばら撒くぞ」と脅迫。

・性玩具を無理矢理、A子さんの性器に入れる。

・キッチン床の大理石に10回ほど頭を打ち付ける。

・「髪の毛を切る」「坊主になれ」とバリカン、ハサミを持って追いかける。

・アイコスやライターを投げつける。

・「帰りたい」とお願いするA子さんに「警察に行くからダメだ。俺も一緒に行く」と渋谷の自宅へと移動。

・腹を蹴り飛ばされる。

・頭を掴まれ、右目の中に指を入れて押し付ける

・馬乗りになって殴る蹴る。両手で首を絞める。意識を失うA子さんを「意識飛んでじゃねぇよ」と平手打ち。

・「これで下半身不随になる」と頸椎を膝で何度も蹴りつける。

・鼻や口からの出血で血だらけになったA子さんを風呂場に連れて行き、バスタブに入れ、水を浴びせた上でシャワーヘッドを投げつける。

・全裸のA子さんの胸を触ったり、性器に指を入れる。

・「お前みたいな人間は服を着る価値がない。服が可哀そうだ」と全裸にさせる。

・箱根旅行に行ったB氏の名前を挙げ「Bと俺の目の前で性交したら許してやる」

・「お前の家族を殺す」「お前の全財産をよこせ」と脅迫。

逮捕当時の本誌の取材では、10月2日にA子さんは下田被告に大量の睡眠薬を飲まされ、「死んだらベランダから突き落とす」という言葉を聞きながら意識を失っている。夕方、知人の通報を受け、令状を手に下田被告宅へ突入した警察官が保護。度重なる暴行によって気管支が損傷し、当日の事情聴取では喋ることもままならなかったという。

続く被告側の弁護人質問ではA子さんと被告が複数回、肉体関係にあったと指摘。一方で下田被告には別の交際女性がいたことも明らかになっている。B氏に電話で聞かせていた一部の性加害については「あたかも行っているかのような音を出していただけだ」と話し、両者の主張は平行線を辿ったままだ。

裁判の最後、現在の心境について問われたA子さんは「(下田被告の)仲間がいると思うと怖くて、しばらく外に出られない」と恐怖を語った。実際、下田被告のSNSには彼が逮捕された後も毎日のようにメッセージが投稿され、公判当日も「嘘つきには負けない 全ての真実を証明します」という言葉がアップされていた。

捜査当局も言葉を失うほどの鬼畜の所業――12月にはB氏らの証人尋問が予定されている。

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