沖縄県北部に新たに建設される大型テーマパーク『JUNGLIA(ジャングリア)』の概要が27日に公表されました。背景には、沖縄の観光をめぐる“ある課題”がありました。 気球に乗って大自然を上からながめたり、ジップラインで滑り降りたり、ジャングルの中で、恐竜に追われたり、自然のエネルギーを全身で感じられそうなアトラクションの数々。総事業費は700億円程度とみられるテーマパーク事業。大阪でユニバーサルスタジオジャパンをV字回復に導いた“再生請負人”が注目したのは、やんばるの自然でした。 『刀』森岡毅CEO:「新しいパークの名前は『JUNGLIA(ジャングリア)』です」 地元企業なども多数参加し、沖縄北部に2025年の開業を目指す、テーマパーク。開業を予定しているのは、沖縄県北部の名護市と、今帰仁村にまたがる、ゴルフ場があった場所です。敷地面積は、ユニバーサルスタジオジャパンに匹敵するほど。 森岡CEO:「沖縄北部には世界自然遺産に登録された、やんばるの大森林がある。こういう場所がしっかりとした観光価値として、まだ成立していない」 もともと、今回とは別の場所ですが、ユニバーサルスタジオジャパンの開業計画がもちあがっていたこともある、沖縄県北部。計画は実現しませんでしたが、その頃から関わっていたのが、森岡氏です。 森岡CEO:「沖縄はもっともっと世界一の観光のポテンシャルがある。日本人は日本人のために、沖縄にもっと投資しなくちゃいけない。日本人が一番、沖縄のポテンシャルをまだ分かっていないと思う」 観光地としてよく名前が挙がる沖縄県。そのイメージの一方で、観光客が集中するのは那覇などの南部です。今回、テーマパークが建つ今帰仁村は、美ら海水族館や古宇利島などの北部の観光地に寄った観光客は、その日のうちに那覇まで戻ってしまい、「素通りする町」と言われるほど。今帰仁村は農業をメインにしていますが、県内でも特に所得が低いエリアになっています。地元の人は、期待を寄せています。 『くろちゃん』安田昌代店長:「期待はしてます。どういうものができるのかなと楽しみではある。ゴルフ場がある時は、よくお客さんも来ていた。こっちもお客さんが増えるかなと期待はしている」 100種類以上のお菓子を取り揃えるお店は…。 『御菓子御殿 名護店』棚原浩武店長:「県内の人が利用できる料金なのか。どうしても沖縄は所得が低いので、そういったのも考えてもらえると、県内の人も使いやすい。それで口コミで広がったら、かなりの集客力があるのかなと」 そんな北部に建てることには、もう一つの意味があると、森岡氏は話します。 森岡CEO:「沖縄北部の貧困問題。進学率や世帯所得、失業率など様々な課題を抱えています。沖縄の南北問題を、結果的に解決の方向に動かす、変化の起点にはなれるかなと」 目指すのは、この事業が“変化の起点”となり、投資が増えることです。 森岡CEO:「(Q.“変化の起点”という言葉があったが、テーマパーク中心に輪ができていくイメージ?)(テーマパークは)経済波及効果が極めて高い業態なので、沖縄の北部に成功させることができたならば、この貢献価値というのは大きいだろうなと。我々がやろうと思っていることの意味を丁寧に説明させていただいて、それから生まれる期待とか不安とか両面に関して、しっかりと理解させていただく。『これで一緒に作らせてください』という姿勢で、初めて地域に根差した事業になっていくのだと思うのです」
テレビ朝日