東北観光推進機構(仙台市)は、今年1~6月に東北6県と新潟県を訪れたインバウンド(訪日客)の消費・動態データを公表した。新型コロナウイルス禍前と比べて消費額が上昇し、訪問エリアが拡大している傾向が分かった。
動態データは、携帯電話の位置情報を基にしたNTTドコモのモバイル空間統計を分析。JR仙台駅からの訪問先は、コロナ禍前の2019年同期の88カ所から108カ所に増加。仙台空港は13カ所増の35カ所、青森駅は21カ所増の64カ所と周遊エリアは拡大した。
仙台駅からの訪問先は東北一の歓楽街・国分町(仙台市青葉区)や松島海岸(宮城県松島町)、今年1月に米ニューヨーク・タイムズ紙の「今年行くべき52カ所」に選ばれた盛岡市が上位に入った。
消費データは、三井住友カードの情報を基に分析。1~5月の国別の決済金額トップ3は中国、台湾、米国だった。1回当たりの購買額で見ると、中国、香港、台湾の順に多かった。消費総額は19年同期比で6・4%増えた。
1~6月の宿泊者数は19年同期比で68・8%の水準にとどまった。
データ分析は推進機構が進める東北観光DMP(データマネジメントプラットフォーム)の一環。紺野純一理事長は「正確なデータを可視化・共有できるようになった」と強調し、効果的な観光施策に役立てる方針を示した。