東北楽天が安楽を自由契約に 被害者は約10人「将来の全て否定しないが、来季の契約はない」

プロ野球東北楽天の安楽智大投手(27)が複数の後輩選手にパワーハラスメント行為をした疑いがある問題で、楽天野球団は30日、パワハラの事実を認め、独占的に契約交渉する権利を持つ保留選手名簿から安楽投手を除外し、自由契約とすることを発表した。事実上の解雇となる。日本野球機構(NPB)への名簿の提出期限が30日だった。

安楽「直接謝罪したい」

 球団は25、26日、所属する選手、首脳陣、スタッフら137人にアンケートを実施。回答率は92%で、約10人の選手が被害を訴え、約40人がハラスメント行為を認識していたと回答した。

 ①ロッカールームで選手の下半身を露出させて靴下をかぶせた②食事の誘いを断った選手に深夜、しつこく電話をかけた③ばかなどの暴言④ささいな行為への罰金―を事実と認定した。

 森井誠之社長が仙台市宮城野区の楽天モバイルパーク宮城で記者会見し「球団として見過ごすことはできない。多大なるご不安を与えてしまい、申し訳ございません」と謝罪。自身の報酬の10%を2カ月間自主返納するとした。

 安楽投手との再契約は「彼の将来を全て否定するものではないが、2024年シーズンの契約はない」と強調。同席した稲垣勝之球団顧問弁護士は他の選手の関与について「加担した、手伝ったというのは確認できていない。彼1人の行為だ」と説明した。安楽投手は「選手や皆さんに直接謝罪したい」と話しているという。

 再発防止策として、匿名で被害を訴えられる窓口の設置、相談しやすい環境の構築、定期的なヒアリングの実施などを挙げた。

 安楽投手は愛媛・済美高から2015年、ドラフト1位で入団。今季は中継ぎでパ・リーグ4位の57試合に登板し3勝2敗、防御率3・04だった。通算成績は231試合登板、18勝21敗3セーブ、防御率3・59。

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