連合が春闘で「5%以上」の賃上げ要求方針決定…物価高で実質賃金が減少、文言強める

連合は1日、千葉県で中央委員会を開き、2024年春闘の方針を正式決定した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)を3%以上、定期昇給分を含めて「5%以上」の賃上げを要求する。今年の春闘は「5%程度」としたが、物価高による実質賃金の減少を踏まえ、「以上」と文言を強めた。

 ベア要求は11年連続となる。芳野友子会長は中央委員会で「物価高に負けない賃上げが伴わないといけない。全ての働く者の賃上げを実現しよう」と呼びかけた。労働者の7割が勤める中小企業の賃上げに向けて、中小企業が労務費を商品などの価格に転嫁できるかがカギになるとして、大企業や政府に協力を求めた。

 連合の集計によると、今年の春闘では平均賃上げ率が前年同期比1・51ポイント増の3・58%となり、30年ぶりの高水準の引き上げを達成した。しかし、厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、物価変動を反映させた9月の実質賃金は、前年同月比2・9%減で、18か月連続でマイナスだった。

 春闘は例年1月に始まり、3月に自動車など主要企業の集中回答日を迎える。

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