営業秘密の設計データ持ち出したか、中国籍30歳代男を逮捕…東証プライム「アルプスアルパイン」元社員

東証プライム上場の電子部品大手「アルプスアルパイン」(東京都大田区)の元社員が在職中、同社の営業秘密を不正に持ち出していた疑いが強まり、警視庁公安部は5日、同社元社員で中国籍の30歳代の男を不正競争防止法違反(営業秘密領得)容疑で逮捕した。男は国内の大手自動車メーカーに転職しており、持ち出したデータを転職先で利用しようとしたとみて捜査している。

 捜査関係者によると、男はアルプスアルパインの社員だった2021年11月、自動車の車載品の設計に関する営業秘密のデータを社有パソコンから私有のハードディスクに保存し、不正に持ち出した疑い。

 男は同社の自動車関連部門に所属しており、同11月に退職し、直後に国内の大手自動車メーカーに転職していたという。

 男はアルプスアルパイン在職時、営業秘密のデータへのアクセス権限を付与されていたとみられる。公安部は他にも持ち出されたデータがないか調べるとともに、データを転職先で利用する目的があったとみて動機や経緯を調べる。

 アルプスアルパインは、電子部品製造の「アルプス電気」とカーナビ大手「アルパイン」が19年1月に経営統合した電子部品大手。主にカーナビやカーオーディオといった車載品の製造を手掛けている。23年3月期の連結売上高は約9331億円。

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