宮城・東松島市 車避難容認を40行政区に拡大 津波新想定受け改定

東松島市は、県が昨年公表した津波新想定を受けて改定した津波避難計画を公表した。新想定で浸水域となった92行政区のうち40行政区で車避難を容認した。3月に示した案では17行政区が対象だった。市は津波避難タワー整備のほか、渋滞緩和に向けた駐車場の確保、避難道路の拡幅工事を急ぐ。

 計画では、住宅から避難場所まで1キロを超える住民、高齢者や障害者などの要支援者に車避難を認めた。約3万2800人が住む浸水域の92行政区のうち、40行政区の約1万6000人を対象とした。避難先の駐車場は市内38カ所のほか、2024年完成予定の道の駅周辺を加えた計5640台分を確保した。

 市は3月と7、8月、各地区の自治会や自主防災組織関係者らに計画案を説明。「1キロ以内に避難場所はあるが、海側に逃げなければならない」などの意見を受け、当初方針の17行政区から拡大した。10、11月に各地区で行った市政懇談会で計画を示し、今月1日に全戸配布した。

 懇談会では、24年の完成を目指し、矢本運動公園に整備する津波避難タワーの概要も説明した。タワーは鉄骨4階、高さ約15メートル。3、4階に計約200人が避難できる。

 市防災課の奥田和朗課長は「今後は避難路となる市道4カ所の拡幅工事も行い、渋滞を減らす対策を進める」と話す。

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