国内屈指の「激坂」山形蔵王がサイクリングモデルルートに 環境整備して愛好者呼び込む

山形、上山両市にまたがる山形蔵王の山麓から山頂に向かう山形県道の計約40キロが、先進的なサイクリング環境の整備を目指す国土交通省のモデルルートに登録された。東北では宮城の1カ所、福島の2カ所に続き4カ所目。高低差の激しい「激坂」を楽しめるルートとして愛好者を呼び込み、春~秋の観光資源として活用を目指す。

登坂ルート40キロ 高低差1400メートル

 山形県や両市、地元観光協会などでつくる協議会が8月、国交省にルート登録を申請。「やまがた蔵王ヒルクライムルート」の名称で10月に登録された。

 ルートは地図の通り。山形市の道の駅やまがた蔵王(標高170メートル)を拠点に、最高地点(標高1570メートル)の蔵王刈田リフトを目指す。東進して蔵王温泉を経由するコースと、上山市にいったん南進するコースがあり、蔵王猿倉レストハウス(上山市蔵王)を経て蔵王エコーラインを通ってゴールする。

 高低差は1400メートルと国内屈指で、2019年からヒルクライムレースが開かれるなど愛好者の人気が高い。県などは、路肩の拡幅のほか、地元の蔵王石に距離や標高を刻んだ標石の設置といった走行環境の整備を進めている。

 道の駅やまがた蔵王では、自転車をレンタルできるサイクルステーションの整備も計画。ルート周辺の宿泊・観光施設には、サイクルラックの設置や自転車を持ち込めるようにする客室改修などを呼びかける。

 蔵王エコーラインは冬季閉鎖中で、本格的な運用は来春以降となる。

 協議会事務局を置く県村山総合支庁建設総務課の担当者は「高低差を楽しめるルートとして広く発信し、地域活性化につなげたい」と期待する。

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