名作アルバムの「再現」も…深夜に浮かぶ全裸の男たち、摘発された「露活」の実態

屋外で下半身を露出したとして警視庁保安課が今月、公然わいせつの疑いで22~45歳の男6人を摘発した。

 男らは「露活(ろかつ)」と称し、路上や運動場で撮影した全裸の画像を交流サイト(SNS)に投稿していた。「解放感」を求めて夜な夜な繰り返されていた痴態とは-。

「解放感」「知らない世界」

日中の最高気温が32度を超え、まだ暑さの残る7月15日夜。東京都大田区の倉庫街に、一糸まとわぬ姿の男らの影が揺らめいた。

男らはSNSを通じて知り合ったといい、出身や職業はばらばら。共通するのは「露出」という趣味だった。男らは全裸で写真を撮影すると、顔や下半身にモザイクをかけた上で、SNSに投稿した。

「屋外で露出する活動を、『露活』と言っています」。一連の行為を主導したとされる東京都渋谷区の男(38)は、調べに対し、こう説明してみせた。

倉庫街での撮影が行われたのは土曜日で、さながらサークル活動。「仲間を増やすためだった」「自分が知らなかった世界があることに衝撃を覚えた」などと話すメンバーも。中には、平成10年ごろから野外での露出行為を続ける?古参?もいた。

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男らは場所や撮影のテーマ、構図を決めた上で露活を決行していた。この日は横断歩道上で全裸になり、ポーズを決めてビートルズの名作アルバム「アビイ・ロード」のジャケット写真を再現した。

現場の倉庫街は大型の物流倉庫などが林立するエリアで、夜間の人通りは少ない。犯行当日、付近を通るバスの最終は午後9時35分。男らは運行が終了した午後10時ごろに全裸になって撮影していた。

保安課によると、男らは今年4~5月にも江東区の「夢の島総合運動場」や新宿区のオフィスビル内で、全裸で腰に手を当ててポーズをとるなどして撮影に及んでいたという。

相次ぐ苦情で…

夜間に人目を忍んで行われていた露活だったが、そうそう隠し通せるものでもない。

保安課によると、「撮影スポット」の一つだった夢の島総合運動場では今年に入り、「裸の人がいる」などの通報が増加。運動場の管理者からも「利用者から苦情が来ている」と相談が寄せられた。

犯行現場は、最寄駅から離れた位置にある野球場の屋外トイレ。管理者によると、野球場は利用予約がない日は人目に付きにくいといい「(露出撮影)の?聖地?のようになっている。『ここで集まるよ』というSNSの投稿も見かける」。注意するため職員が近付くと、逃げていったこともあるという。

目撃情報や通報が増加したのは、野球場の北側に昨年11月、スケートボード施設がオープンし、人の出入りが増えたのが要因とみられる。管理者は「公共の施設での迷惑行為はやめてほしい」と話している。

保安課は、男らが撮影に使ったとみられる三脚、照明機器などを押収した。捜査関係者は「『露活』仲間は芋づる式に広がっていったようだ」と話し、「今後も取り締まりを強化していく」と語った。

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