少子化対策の「支援金」、2026年度から徴収開始 こども家庭庁

年3・6兆円規模の少子化対策の財源として新たに1兆円規模を徴収する「こども・子育て支援金制度」(支援金)の素案をこども家庭庁が11日公表した。すべての世代が加入する各医療保険の保険料とあわせて2026年度から徴収を始め、28年度まで段階的に金額を引き上げる。使い道は児童手当や育児休業給付の拡充策など4事業とする。

 経済界や労働界の代表らが参加した同庁の会議で提示した。支援金の制度は近くまとめる「こども未来戦略」に盛り込み、年内に閣議決定する方針。年明けの通常国会に関連法案を提出する。

 素案では支援金を「新しい分かち合い・連帯の仕組みとして創設する」と位置づけた。新たな負担を求める理由について、少子化に歯止めをかけることは医療を含む「社会保険制度の持続可能性を高める」とした。

 医療保険を活用するのは、働き手から75歳以上の後期高齢者まで「全世代が加入」するからだ。24年度から75歳以上の後期高齢者も出産育児一時金の一部を負担する予定で、主に現役世代の支援を高齢者も担う「世代を超えた支え合いの仕組み」がすでに組み込まれているとしている。

 その上で、使い道は(1)妊産婦に10万円相当を支給する制度(2)育児休業給付の引き上げなど「共働き・共育て」支援(3)保護者の就労要件を問わずに保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」(4)児童手当の拡充策――の四つに限定する。うち(1)と(2)は全額を支援金で賄う。

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