仙台市、年間の救急出動件数が過去最多更新 記録的猛暑で要請相次ぐ

仙台市内の今年の救急車出動件数(速報値)が10日時点で6万801件となり、過去最多だった2022年1年間の6万737件を上回ったことが11日、分かった。夏の記録的な猛暑で救急要請が相次いだことが影響した。新型コロナウイルスの5類移行で人の動きが活発になり、外出時の急病増加も要因とみられる。

コロナ5類移行 外出機会増加も要因

 出動件数の推移はグラフの通り。市消防局によると、新型コロナ感染拡大で20年は前年を下回ったが、その後は増加し、23年は2年連続の6万件突破となった。1日当たり160~200件で推移した11月末までのペースで進めば、年間6万4000~6万5000件となる見込みだ。

 月別は8月の6841件(前年同月比688件増)が最も多かった。8月の市内は31日間のうち30日が真夏日になり、熱中症や体調不良で救急車の要請が増えたという。次いで7月が6447件(702件増)、9月が5576件(633件増)だった。

 出動理由は、11月末時点で急病が全体の7割近い4万212件を占め、前年同期を3061件上回った。転倒などによる一般負傷(7754件)、転院搬送(4881件)もそれぞれ前年同期を超えた。

 市消防局は件数の増加を踏まえ、心臓マッサージの方法や自動体外式除細動器(AED)の使い方を紹介するスマートフォン用アプリを11月に一新するなど啓発活動を強化する。

 佐々木隆広救急課長は最多更新の要因に関し「夏の猛暑と5類移行に伴う外出機会の増加が挙げられる。市民の命を守るために、出動の要請にしっかり応えたい」と説明する。

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