宮城県塩釜市の二つの蔵元がすしに合わせて特別に醸造した新酒を楽しめる恒例の「しおがま蔵出し新酒まつり」(実行委員会主催)が、市内のすし店で開かれている。浦霞醸造元の佐浦と阿部勘酒造が協力し、各すし店で新酒を注文した客にオリジナルグラスを贈るほか、アンケートに答えると、抽選ですし券などが当たる。酒、グラスともに数量限定で1月14日まで。
佐浦は「純米吟醸生酒 浦霞No.12」(アルコール度数17度、精米歩合55%)を準備した。原料米に県産酒造好適米「蔵の華」を使用し、フレッシュで爽やかな香りと、コメのうまみ、酸味によるキレが調和した味わいに仕上げた。
阿部勘酒造は「阿部勘 純米吟醸 かすみ生酒 限定ラベル」(アルコール度数15度、精米歩合55%)を用意。原料米には蔵の華とササニシキを使った。うっすらと白く濁った「かすみ酒」で、華やかさとすっきりした味わいを楽しめる。
ともに「みやぎ寿司(すし)海道塩竈(しおがま)地域推進協議会」に加盟する10のすし店で味わえ、親方考案の新酒に合うつまみを提供する店もある。市内の酒販7店でも新酒の四合瓶を販売し、購入者にグラスを贈呈する。
毎年デザインや色が変わるグラスは、新酒のフレッシュさや豊かに実った稲の色をイメージし、両蔵元とみやぎ寿司海道の三つのロゴをエメラルドグリーンであしらった。
すし店と酒販店では、購入者がスマートフォンなどでQRコードを読み込むと参加できるアンケートを実施。すし券、塩釜小売酒販組合オリジナルTシャツ、おちょこセットのいずれかが抽選で計18人に当たる。
まつりの開幕に先立ち、実行委員や佐浦の佐浦弘一社長、阿部勘酒造の阿部昌弘社長ら約10人が11月30日、同市の塩釜神社に新酒を奉納した。実行委員長の横田善光さん(54)は「酒とすしの絶妙な組み合わせを楽しみに塩釜に来てほしい」と呼びかけた。