焼き芋や天ぷら、煮物など、さまざまな料理に応用できる食材の一つが「サツマイモ」です。食物繊維が豊富に含まれているといわれており、便秘のときに食べると症状が改善されることがあります。そもそも、サツマイモにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
■皮にも栄養が詰まっている
Q.サツマイモに含まれる主な栄養素について、教えてください。
桜井さん「主な栄養素としては、体のエネルギーの元になる糖質(炭水化物)のほか、腸内環境の調整や肥満の予防となる食物繊維、余分な塩分の排出を助けるカリウム、糖質の代謝を促すビタミンB群などがあります。
また、皮の部分にはポリフェノールの一種であるアントシアニンやクロロゲン酸などが含まれています」
Q.サツマイモの栄養素をうまく摂取するには、どのように調理すればよいのでしょうか。注意点も含めて、教えてください。
桜井さん「皮に含まれているアントシアニンやクロロゲン酸は、抗酸化作用が期待できます。煮物に使うと、皮が柔らかくなって食べやすくなるのでお勧めです。
サツマイモは生で食べることが難しいため、水にさらすことが多くなるかもしれませんが、水溶性のビタミン類は水にさらすと流れ出てしまいます。そのため、長時間、水にさらし続けないように注意すると良いですね」
Q.もしサツマイモを食べ過ぎてしまった場合、体にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。
桜井さん「サツマイモに限らず、イモ類は糖質が多く含まれているため、カロリーが高い傾向にあります。現代人の多くは日々の食事で糖質を多く取りがちなため、サツマイモを食べ過ぎると、糖尿病などの病気の危険性が高まる可能性があります。
また、食物繊維は便秘改善など、腸内環境を良くする効果が期待できますが、食べ過ぎるとかえって便秘を悪化させてしまう可能性があるため、注意が必要です」
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蒸したり焼いたりするだけでホクホクとした食感や甘みが楽しめるサツマイモ。おいしくてつい食べ過ぎてしまいたくなるかもしれませんが、カロリーが高いため適量を心掛けて食べるようにしましょう。
オトナンサー編集部