[フランクフルト/アテネ/ロンドン/ロサンゼルス 21日 ロイター] – ドイツの海運大手ハパックロイドと香港の外航船大手オリエント・オーバーシーズ・コンテナ・ライン(OOCL)は21日、紅海の航行を回避する方針を示した。反イスラエルの立場を取るイエメンの親イラン武装組織フーシ派が船舶への攻撃を続けているため。 【動画】相次ぐフーシ派の攻撃で紅海海上貿易に混乱、運賃高騰や輸送の遅れも 紅海はアジアと欧州を結ぶ海運の要衝。航行を避ける海運会社が増加し、国際的な貿易に混乱が生じている。 ハパックロイドは25隻を紅海航路から迂回させると発表した。航路変更で必要な船舶数が増加し、運賃も上昇しているという。 OOCLは21日の声明で「現在に至るまで、当社が運航する船舶に対して紅海ルートを回避するか、紅海の航行を停止するよう指示している」と明かした。OOCLが紅海の航行停止を認めたのは初めて。 既にスウェーデンの家具大手イケアは、スエズ運河の寸断による貨物輸送の遅れで一部の製品で品不足が起きる可能性があると警告。フィンランドのエレベーターメーカー、コネは一部の出荷に2―3週間の遅れが生じる可能性があると見込んでいる。 また、干ばつに見舞われたパナマ運河からスエズ運河に航路を変更している米国の大豆輸出業者は、中国などアジア市場へ直行する船舶にアクセスするため、西海岸行きの列車を使うかどうかを検討している。