発言していない内容が識者コメントとして番組に テレビ朝日「二重の大きな過ち」を謝罪

 テレビ朝日は2023年12月21日に放送したバラエティー番組「林修の今知りたいでしょ!」(テレビ朝日系)の冒頭で、実際には発言していない内容を識者の発言として放送していたとして謝罪した。これに先だって、番組公式サイトでも経緯を説明して謝罪する文書を掲載した。 【画像】テレ朝による実際の謝罪文 ■カラスが冬に集まるのは「寒さをしのぐため」ではない  問題が起きたのは11月23日の放送。カラスが冬に大きな集団を形成する理由を東京大学の樋口広芳名誉教授(鳥類学)に尋ねる場面があった。樋口氏本人が映像で理由を答えたあと、番組のナレーションで「樋口先生によると、冬は寒さをしのぐために群れを作る集団生活期。集団ねぐらを作り、身を寄せ合って過ごすのだそう」と見解を紹介していた。  公式サイトの文書によると、上記の見解は樋口氏が発言していない内容だったとして、次のように謝罪した。 「樋口教授が発言していない内容を、樋口教授のご見解として紹介するという番組側の重大な間違いにより、この分野を長きにわたりご研究されてきた樋口教授の名誉を著しく傷つけたことを深く謝罪いたします」  カラスが冬に大きな集団を形成する理由について、樋口氏は「外敵がやってくることをたくさんの目で見ていち早く察知するため」「どこに食べ物があるかをたくさんの目で見つけるため」と理由を答えていたという。  また、番組のナレーションが紹介した「冬は寒さをしのぐために群れを作る集団生活期。集団ねぐらを作り、身を寄せ合って過ごす」も、樋口氏は誤りとした上で、「カラスはそのような目的で集まるのではありませんし、寒さをしのぐために身を寄せ合って過ごすということもありません。カラスは群れて木にとまっているような時でも、個体同士がくっつき合うことはなく、ある間隔を保っている」と説明したという。

「番組側が誤った理解の上で放送し、しかも樋口教授の主張として紹介」

 サイトの文書では「番組側が誤った理解の上で放送し、しかも樋口教授の主張として紹介するという二重の大きな過ちを犯してしまいました」とコメントし、「今回の放送により、樋口教授に多大なご迷惑と不快感を与えてしまったこと、および視聴者の皆様ならびに関係者の皆様に誤解を与えてしまいました」とした。  12月21日の放送冒頭でも、斎藤ちはるアナが「まずは番組からお詫びと訂正がございます」と謝罪。11月23日の放送で樋口氏の見解を誤って放送したとし、樋口氏による見解を改めて紹介した。  斎藤アナは、「この度は樋口教授に多大なご迷惑を与えてしまったこと、および視聴者の皆様ならびに関係者の皆様に誤解を与えてしまいましたことを、謹んでお詫び申し上げます」と述べた。

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