アメリカ人観光客が「日本のサケ」に大感激……思わず絶句した「驚きの理由」 なぜこんなにうまいのか?

外国からの観光客も絶賛

コロナ禍の混乱も一段落し、以前と同じく街にもにぎやかさが戻ってきた。11月までの時点で2023年の訪日外国人は約2200万人と外国人旅行者の客足も復活しつつあり、インバウンド需要も増加してきている。特に豊かでおいしい「日本食」を観光の目当てにしてやってくる人も少なくない。

そんななかで、数年前から注目を集めているのが「日本酒」だ。2013年にユネスコの「無形文化遺産」に和食が登録されたこと契機に、それに合わせる飲み物として脚光を浴びている。また海外からの観光客にとっては、お土産としても人気が高い。

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「日本のサケはスッキリとした飲み口で、和食はもちろん肉料理にも合うから大好きだよ! 初めて飲んだのは獺祭だったけど、あまりのおいしさに感激して、言葉を失ってしまったことを覚えているね」(アメリカから来た30代男性)

「ウイスキーとかと比べて日本酒はアルコール度数が低いから、あまりお酒に強くない私でも飲みやすくて好きです。いろいろな料理をペアリングしやすいから、ついついたくさん飲んでしまいますね」(シンガポール出身の20代女性)

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このように絶賛する外国人も多いが、実はおいしい日本酒は日本でしか作るのが難しい。仮に同じ品種の米を海外に持って行っても、ここまで深い味を出すのはほぼ不可能と言えるだろう。その理由は、日本列島という「地形」に隠されている。

地下に秘密があった

日本は付近に4つのプレートが相接する、世界でも有数の地震・火山大国だ。また、島国でありながら、国土の約75%を山地が占める。このような特異な成り立ちは、四季折々の食材を育む土壌になっている。

和の食材の代表格ともいえる高級魚、鯛は縄文時代から日本人に食され、青森県の三内丸山遺跡からは20cmの大きさのマダイの骨が発見された。この骨がバラバラになっていないことから、すでに三枚におろすという調理法が確立されていたのではないかとされている。

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日本の水の大半が軟水だ。それは急峻な地形が多く、川の流れが速くて土中の成分が水に溶け込む暇がないことが理由の一つになっている。

また、日本の地盤の約10%が、火成岩の花崗岩、もしくは花崗岩由来の砂で覆われていることが大きい。花崗岩には鉄分、カルシウム、マグネシウムに乏しく、カリウムを豊富に含んでいるという特徴があり、それが日本特有の軟水を生み出すのだ。

実はそんな花崗岩から生み出された軟水が、日本酒の製造には欠かせない。

日本酒の製造過程で、米本来の旨味と甘みを引き出す「糖化」に用いられる麹菌は鉄分を極端に嫌う。また、香味を出すための発酵段階では酵母菌が使われる。その酵母菌はカリウムを栄養源として活動する。

つまり、日本酒の製造に必須なこれらの2つの菌は日本の水だからこそ、真価を発揮する。花崗岩が多い国土が日本酒を生んだといっても過言ではないのだ。

そして、古くからその軟水の性質に着目していた日本人は、後背地に花崗岩でできた山を持つ西条(広島県)、灘(兵庫県)、魚沼地方(新潟県)など、今なお日本酒の名産地として知られる場所に多くの酒蔵を作ってきたのである。

地球の運動という悠久の歴史に思いを馳せながら、和食と日本酒を楽しむのもまた一興だろう。

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