2024年に賃上げを実施する企業はどのくらいあるか。東京商工リサーチが調査結果を発表し、82.9%と8割以上で賃上げ意向があると分かった。一方で賃上げ幅が「23年を超えそう」と回答した企業は11.6%にとどまった。
24年に賃上げを実施する予定の企業は「23年と同じ程度になりそう」が51.5%、「超えそう」は11.6%、「下回りそう」が19.7%。「賃上げできそうにない」は17.0%と2割弱だった。規模別では資本金1億円以上の企業で「超えそう」が14.1%、資本金1億円未満では11.3%。「賃上げできそうにない」の割合も、資本金1億円未満(17.9%)の企業が1億円以上の企業(9.2%)を上回り、企業規模による差が浮き彫りになった。
産業別の構成比では、10産業全てで「23年と同水準」が最も高く、7産業では過半数を記録した。「超えそう」では「不動産業」(17.5%)、「情報通信業」(15.6%)、「サービス業他」(13.1%)、「卸売業」(12.0%)が上位を占めた。
業種別では「23年を超えそう」の1位は「倉庫業」(26.6%)だった。EC取引の拡大を追い風に需要が増加傾向にあり、自動化やデジタル化で業務の効率化が進んだことが影響していそうだ。2位は「政治・経済・文化団体」(24.0%)、3位は「不動産取引業」(21.8%)が続いた。
4581社を対象として、12月1〜11日にインターネットで調査した。賃上げに含めたのは「定期昇給」「ベースアップ」「賞与の増額」「初任給の増額」「再雇用者の賃金増額」。