「全然タクシーがつかまらない」。最近、そんな切実の声があちこちから聞こえてきます。 ドライバーの時間外労働が規制される、いわゆる「2024年問題」を前に、すでに運転手不足は全国的に大きな問題となっています。 【写真を見る】駅前乗り場にタクシー「0」の時も…忘年会復活で「タクシー不足」加速 早朝も「その時間は稼働していません」 インフル欠勤も相次ぐ 鳥取県米子市の米子駅前にある飲食店。 今年の12月はアフターコロナを思わせる盛況ぶりで、取材したこの日も、平日にもかかわらず、ほぼ満席状態でした。 米子市内の飲食店の店長 「ありがたいことにコロナ禍前まで、お客様が戻ってきてくれていて、忘年会需要も好調です。その分、タクシー不足をひしひしと感じています」 店長によりますと、今年に入ってからタクシーがつかまりにくい状況が続いていて、特に最近は深刻な状況だといいます。 午後9時半頃、駅前にあるタクシー乗り場に行ってみると、この時はタクシーが1台も止まっていませんでした。 米子市内の飲食店の店長 「週末にはお客様から依頼を受けてからタクシーが来るまで1時間なんてざらにありますし、最近はそもそも予約を受け付けてくれないタクシー会社も多いですね。そういうときは、『お客様自身が大通りに出て、ご自身でつかまえていただいたほうが早いと思います』と伝えたりしています」 一方、タクシーつかまらない問題は早朝でも… 市内に住む女性 「朝6時半頃に駅に行きたくてタクシーの予約電話をしたのですが、『そもそもその時間は稼働していません』『お伺いできる運転手がいません』など全社に断られてしまいました。その時間は列車も動いていませんし、そもそもつかまりにくいと思って、予定の5日前に予約電話をしたのですが…ドライバー不足の深刻さを痛感しました」 また、中山間地域での移動手段においても大きな課題となっています。 国土交通省によりますと、2021年度の法人タクシー運転手の数はおよそ22万人。 10年前と比べると、およそ35%も減少しています。 米子市内のタクシー会社担当者 「タクシーの利用者数はコロナ禍前に戻っていますが、ドライバー数がコロナ禍前に戻っていないというのが大きいと思います。 繁忙期である年末年始は1~2時間待ってもらうことはざらにありますし、やはり若手ドライバーが少ないので、早朝や夜間の勤務が難しいドライバーも多いです」
国土交通省の調査によりますと、全国のタクシードライバーの平均年齢は58.3歳となっています。 米子市内のタクシー会社担当者 「私どもの会社でも、ほとんどのドライバーが年寄りなもんで、そもそも夜出勤できる人が少ないんです。稼働台数が少ないので、その分お客様にご迷惑をおかけしている部分はあります。 また、最近ではインフルエンザの流行もあり、毎日数人のドライバーが出勤できていない状況もあります」 一方、鳥取県では、一般住民のドライバーが、自分の車などを使って有料で人を運ぶ「鳥取型ライドシェア」の導入を目指す取り組みも進んでいます。 すでに大きな影響が出ているドライバー不足の問題は、来年4月から、さらに加速してしまうのでしょうか。