日本大学アメリカンフットボール部の違法薬物事件への対応を巡り、日大の林真理子理事長が25日、文部科学省を訪れ、改善計画の追加回答を提出した。危機管理対応を強化するため、役員の職務や権限の明確化、理事長や学長の職務を支援する部署の設置を今年度末までに審議・決定するとした。
日大は11月30日、改善計画を文科省に提出したが、具体策が不十分だとして再提出を求められていた。
追加回答では、理事会で正式決定したアメフト部の廃部で、活動の場を失う部員や入部を希望する来春の新入生の受け皿は、新設の「競技スポーツ改革特別委員会」で議論していくとした。追加回答を提出後、報道陣の取材に応じた林理事長は「改善策をスピード感を持ってやる」と語った。アメフト部の今後については「廃部以外はまだ何も決定していない」と述べた。
■廃部の学長決裁 越年する見込み
日大理事会がアメフト部の廃部を決定後、酒井健夫学長による決裁が行われず、廃部の手続きが完了していないことが25日、わかった。日大は26日から1月4日まで年末年始休業に入るため、廃部手続きは越年する見込みだ。
日大の改善計画では、廃部は理事会を経て「学長の決裁で決定」としていた。理事会は今月15日に廃部を決めたが、日大広報部によると25日現在、学長決裁は「行われていない」という。理由は明らかにしていない。
同志社大の太田肇教授(組織論)は「世間が注目する危機対応事案に対し、迅速に対応できる体制になっていないと言える」と指摘した。