仙台伊沢家勝山酒造(仙台市)が醸造した高級古酒を伝統工芸品の仙台箪笥(たんす)の技法で仕立てたケースに入れた商品が、新年企画として150セット限定で発売される。勝山酒造と仙台箪笥製造の欅(けやき)産業(宮城県利府町)がコラボレーション。勝山酒造で予約を受け付けていて、海外からの引き合いも盛況という。
商品は720ミリリットル入りのボトル1本とケースのセット。価格は44万円で、年明けに発送を始める。
古酒は、品評会用に仕込んだ高級品をマイナス5度の氷温貯蔵で30年間熟成した。濃密な甘みの後に感じる渋みや古酒特有の深い味わいが特徴。ボトルには全てシリアルナンバーが刻まれている。
ケースは縦36センチ、横20センチ、奥行き15センチ。黒の漆塗りに24金メッキの彫金を施し、職人が仙台箪笥と同じ工程で一つずつ手作りした。正面中央の引き戸部分には来年の干支(えと)「辰(たつ)」から竜を彫金であしらい、人気アニメにちなんで掌中に七つの星が入った玉を抱える遊び心も盛り込んだ。
勝山酒造が欅産業に提案し商品化が実現した。勝山酒造の伊沢平輝さん(32)は「貴重な古酒なので、飲み終わった後も活用できるよう工芸品とコラボしたいと考えた。国内はもちろん、日本酒や工芸品の需要が高まっている中華圏にも売り込みたい」と意気込む。
ケースは鍵付きで、小物入れや宝石箱として使用可能。欅産業の大原良光社長は「細部まで工夫を凝らし、仙台箪笥の最高峰の技術を全て詰め込んだ」と胸を張り「アフターコロナは他業種との連携や海外需要の掘り起こしは不可欠。今後もさまざまな商品を連携して企画したい」と話した。
連絡先は勝山酒造022(348)2611。