小さな2車種が大健闘
2023年も押し詰まりましたね。かつての大みそかは家族そろって紅白歌合戦を見たものですが、近年はあまり見る気が起きません。そこでカーマニアにオススメしたいのは、紅白を横目で見ながら、乗用車の販売台数で脳内合戦を行うことです。年内に発表されるのは、11月までの数字ですが、販売ランキングを眺めているだけで、3時間くらいは楽しめます。
今年も販売台数トップに君臨したのは、「ホンダN-BOX」でした。10月にフルモデルチェンジを受けたので、新型が占める台数は本年合計の一部にすぎませんが、21万1704台(2023年1月~11月)を売ってトップ。10月以降も好調で、月に2万台以上が売れています。個人的には、新型は先代よりデザインがスッキリして、シンプルかつ合理的で走りもホンモノの、すばらしいクルマになったと思っています。軽ゆえに国内専用ですが、世界に胸を張れる国民車ではないでしょうか!
軽自動車の統計では、軽EVの「日産サクラ」が、3万4698台売れて15位に食い込んでいるのが注目されます。この台数、ベースになった「デイズ」(ガソリン車)とほとんど変わらないんですね。サクラは、国内のEV販売台数の約4割を占めていますが、全体でもそこそこ上位にきているわけです。
一方、姉妹車の「三菱eKクロスEV」は6671台。サクラとの差がじわじわ広がっています。原因は主に、エクステリアとインテリアの質感の差だとみています。
軽以外はトヨタ、トヨタ!
登録車では、「トヨタ・ヤリス」が18万0155台で首位でした。軽を含む全体でも2位にあたりますが、ご承知のように“ヤリスの販売台数”は、「ヤリス」と「GRヤリス」「ヤリス クロス」の合計数。このうち一番売れたのはヤリス クロスでした。
2位の「トヨタ・カローラ」も、「カローラ」「カローラ スポーツ」「カローラ ツーリング」「カローラ アクシオ」「カローラ フィールダー」の合計なので、一種の統計ドーピングです。
となると本物の1位は、11万1748台の「トヨタ・シエンタ」ということになりますが、真実の首位は、「トヨタ・ノア/ヴォクシー」(姉妹車合計で17万5949台)ですかね? 乗用車の通称名にはいろいろカラクリがあるので、実態を突き止めるべく足し算や引き算をやっていると、あっという間に紅白も中盤を迎えていることでしょう。
ここからはカーマニア的な考察に移りたいと思います。最近なにかと話題のセダンですが、今年一番売れたセダンは何か!?
言うまでもなく「トヨタ・クラウン」(3万9108台)です。先代末期は年間2万台前後だったので、約2倍に増えました。といっても先代のピークにあたる2018年には約5万台、先々代ピークの2013年は8万台強を売ったので、それよりは減っています。「クラウン クロスオーバー」だけでは、クラウンの退潮は食い止め切れていないってことですね。先日「クラウン セダン」と「クラウン スポーツ」が発表されたので、本番は2024年から。楽しみですね。