宮城・大衡の半導体工場、本社機能の宮城移転も視野 SBI会長兼社長の北尾吉孝氏とPSMC日本法人社長の呉元雄氏に聞く

宮城県大衡村の第二仙台北部中核工業団地への半導体工場新設を巡り、SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長(72)、台湾の半導体受託生産大手・力晶積成電子製造(PSMC)ジャパンの呉元雄社長(62)が河北新報のインタビューに応じた。工場建設に向けて設立した合弁会社JSMC(東京)を持ち株会社化し、運営主体に発展させる考えを示した。将来的に本社機能を宮城県内に置くことも視野に入れる。

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採用活動、24年から本格化

 JSMCは25日付で社名を「JSMCホールディングス」に変更しており、年明けにも登記が完了する見込み。北尾氏が会長、呉氏が最高経営責任者(CEO)を務め、2024年から採用活動などを本格化させる。当面は東京に本社を置き、事業の進度に応じて宮城移転を検討する。

 JSMCホールディングスは仙台市に人材採用の拠点を置く予定で、北尾会長は「24年の早い段階に設ける」と説明した。研修期間を踏まえ、24年中にも募集に乗り出す。

 新工場は24年の着工、27年の稼働開始を予定し、29年にはウエハー(基板)換算で月間4万枚の量産を計画する。日本国内で1000人規模の雇用を見込む。サプライチェーン(供給網)の構築など宮城の事業を試金石に、海外展開も検討する。

 宮城の工場のモデルとなるPSMCの新工場が、24年に台湾で稼働を始める予定。同じ生産ラインを宮城に導入する計画で、呉社長は「台湾で試作して、宮城の(工場)完成後に量産という流れを提供できる」と述べた。

 宮城の工場は、集積回路(IC)の作成など半導体製造の「前工程」を手がける。組み立てや検査などの「後工程」を担う工場に関しては、台湾の上場企業1社が日本進出を検討していると説明。関西地方の大学がJSMC側との連携に意欲を示していることも明らかにした。

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