伝統の仙台初売り始まる 行動制限なく 商店街に長い列

新年恒例の仙台初売りが2日、仙台市内で始まった。新型コロナウイルスの5類移行を受け、中心部の商店街振興組合は4年ぶりに歓迎イベントを相次いで開催。JR仙台駅周辺や中心商店街の大型店前には、早朝から買い物客の長い列ができた。

 青葉区のお茶の井ケ田仙台中央本店では、初売り名物の茶箱を目当てに、午前7時の開店前から100人以上の客が行列をつくった。藤崎や仙台三越では、開店から間もない時間帯に福袋が次々と売り切れた。

 コロナ禍の収束を受け、商店街振興組合が催しを再開させる動きも相次いだ。青葉区のハピナ名掛丁商店街では、4年ぶりに東北学院大書道研究部がパフォーマンスを披露。仲間とともに「新春万福」と書き上げた2年生の相沢咲都(さと)さん(20)は「年の始めに新鮮な気持ちで作品を完成させることができた」と話した。

 同区のクリスロード商店街では市の観光PR集団「伊達武将隊」による演舞があった。一番町四丁目商店街では甘酒の振る舞いや、1割増し商品券の販売が人気を集めた。

 仙台商工会議所の藤﨑三郎助会頭は「(寒かった昨年の初売りに比べ)暖かい天候だったこともあり、買い物を楽しんでいる人が多かった。各商店街でイベントも再開できて良かった」と振り返った。

能登半島地震受け店内に募金箱、一部イベント取りやめ

 石川県で震度7の揺れを観測した能登半島地震を受け、2日に初売りを実施した藤崎は店舗内に被災地支援のための募金箱を設置した。予定していた一部の歓迎行事を自粛した小売店もあった。

 藤崎は仙台市青葉区の本館入り口に募金箱を設置。三味線演奏など初売り関連のイベント開催時に、来店客らに募金を呼びかけた。

 青葉区のお茶の井ケ田仙台中央本店は、開店前に予定していた獅子舞の公演を中止。仙台三越も開店前の景気づけとして企画した和太鼓演奏を取りやめた。

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