亘理町、石川・能登町へ職員６人と給水車派遣 東日本大震災時の支援に恩返し
亘理町は、断水が続く石川県能登町に職員と２・８トン給水車を派遣した。５日に現地入りし、約１週間ほど給水業務に当たる。
派遣されたのは上下水道課などの６人。給水車で避難所などを回り、被災者に飲料水を届ける予定。町役場を出発前、同課の杉目直行班長は「東日本大震災の復興支援への恩返しがしたい。被災者に寄り添いながらしっかり活動したい」と語った。山田周伸町長は「地震が起きたらすぐ逃げられるような態勢で、能登の皆さんのために頑張ってきてほしい」と見送った。
亘理町は２０１２年度、能登町から被災した町道の復旧に携わる土木職員２人の派遣を受けた縁があり、能登町に支援を申し出た。
サンドウィッチマン寄贈のトイレトレーラーを石川・輪島市へ出動 気仙沼市
気仙沼市は、仙台市出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」が東日本大震災の義援金を活用して市に寄贈した移動式の「トイレトレーラー」を石川県輪島市に出動させると発表した。職員４人を派遣し、５日夕方の到着を目指す。
トレーラー内には洋式水洗トイレが３個室ある。給排水タンクやソーラー発電なども備え、けん引車で移動できる。これまでイベントなどで活用してきたが、災害時の出動は初めて。サンドウィッチマンから贈られたトイレットペーパー１００８個とゼリー飲料１６８０食も積み込んだ。
市はまた、備蓄していた２リットルのペットボトル飲料水５４００本と缶詰１４４０個を石川県に提供する。佐川急便との包括連携協定に基づき、同社のトラックで５日に輸送する。
市役所や市立病院など７施設には義援金の募金箱を設置。当面の間受け付ける。募金は日本赤十字社を通じて被災地に届ける。
気仙沼市は東日本大震災の復興支援で金沢市などから２０１４～２０年度、職員延べ９人の派遣を受けた。
広域災害救助隊５８人を石川へ派遣 宮城県警 ５~８日に不明者捜索
県警は、機動隊員らで構成する広域緊急援助隊５８人を石川県に派遣した。５～８日の３日間、要救助者の救出や行方不明者の捜索などの任務に当たる。
県警広域緊急援助隊の出動は、２０２１年の静岡県熱海市の土石流災害以来。県警警備課の佐藤林災害対策室長は「宮城も東日本大震災で大きな被害に遭った。隊員には被災者に寄り添い、救助活動に取り組んでほしい」と話した。
多賀城市、富山・高岡市へ飲料水など発送 万葉集ゆかりの地で交流、震災時に支援受ける
多賀城市は、道路や家屋が損壊する被害を受けた富山県高岡市に支援物資を発送した。
送ったのは５００ミリリットルのペットボトル飲料水２４００本、ゼリー飲料１２００個、バリケード５０個、ブルーシート２３１枚など。高岡市側の希望を聞いた上、市の備蓄品や職員が手配した物品を大型トラックに詰め込んだ。
市役所前で出発式があり、深谷晃祐市長は「被災した方々の一日も早い復興のため、できる努力を続けたい」と述べた。
多賀城市は万葉集ゆかりの地として高岡市と交流があり、東日本大震災の際には職員の応援派遣や物資の支援を受けた。
７、８日に仙台・藤崎前で義援金への寄付呼びかけ 仙台青年会議所
仙台青年会議所（ＪＣ）は能登半島地震の被災地に届ける支援物資や義援金を募っている。
物資は青葉区本町の仙台商工会議所ビル８階にある事務局に５日に持ち込むことが条件で、対象はブルーシート、簡易トイレ、土のう袋、ナイロンロープ、未開封の生理用品に限る。
義援金は７、８両日午後１～３時、青葉区の藤崎本館前に会員が立ち、寄付を呼びかける。物資と義援金はＪＣのネットワークを通じて現地に届ける。
大高成美理事長（３４）は「東日本大震災で受けた恩に報いるべく、できるだけのことをしたい」と協力を呼びかけている。連絡先は事務局０２２（２２２）９７８８。
仙台市長「被災自治体のため貢献する責務ある」
郡和子仙台市長は、青葉区のオンワード樫山仙台ビルに幹部職員約１５０人を集めた年頭訓示で、能登半島地震の被災地支援について「被災自治体のために貢献する責務がある。積極的に対応できるよう、各部署が感度を高くしてほしい」と呼びかけた。
東日本大震災後、市は全国各地の支援を受けた。市水道局は２日、災害時相互応援協定に基づき、断水が続く新潟市に情報収集に当たる職員を送り、３日に給水車も派遣した。
指定都市市長会などを通じては、被災地の支援ニーズの把握にも努めている。罹災（りさい）証明書の発行、避難所の運営などの業務で応援要請があった場合に備えているという。
郡市長は「まちはいつ来るか分からない災害の脅威にさらされていると、これほど痛感する元日はなかった」と述べ、犠牲者に哀悼の意を示した。
