気象庁は4日、2023年の天候のまとめを発表しました。それによりますと、気温が全国的に高かったというのが大きな特徴で、年間の平均気温は153地点のうち109地点で、観測史上最も高い記録を更新しました。 【写真を見る】2023年“平均気温”平年より「+2度以上」となった地点は2位が根室や小名浜、1位は…?東北・北海道の太平洋側に集中した理由は「黒潮続流」の北上か tbc気象台 例えば仙台では、2023年の年平均気温は15.0度に達しましたが、従来の記録は2015年、2020年、2021年の13.7度でしたので、2023年の突出具合がよく分かります。また、仙台は年間平均気温の平年値が12.8度で、2023年はそれより2.2度高くなりました。この「+2.2度」は全国153地点の中で最も大きい平年差となりました。平年差がプラス2.0度以上だった地点は他に、 ■2023年平均気温が平年値より「2度以上」高かった地点は…
プラス2.2度・・・仙台
プラス2.1度・・・根室、広尾(以上北海道)、小名浜(福島)
プラス2.0度・・・八戸(青森)、大船渡、宮古(以上岩手)、石巻(宮城)、水戸(茨城)
と、いずれも関東以北の太平洋に面した地域です。このような結果になった理由としては、三陸沖を中心に続く海面水温の記録的な高さが考えられます。 2023年の日本近海の海面水温は、1月は三陸沖で平年より高く、夏になると全体的に高くなりましたが三陸沖は特に高くなっていました。そして現在は、昨夏に比べると平年並みに近づいた所が多いものの、三陸沖は1年前よりもさらに高くなっています。このように海面水温が平年より高い状態が続いたため、仙台などこうしたエリアに面した海沿いの地域では、海から風が吹いたときに普段より気温が下がりにくく・上がりやすくなり、年間平均気温が平年より大幅に高くなったものと考えられます。 そしてこの海面水温の高さをもたらしているのが、「黒潮続流」と呼ばれる海流の蛇行です。黒潮は、西日本から東日本の太平洋側を西から東へ流れる暖かい海水の流れのことで、房総半島より東では黒潮続流と呼ばれています。この黒潮続流は、通常では関東地方の東を流れているのですが、去年は大きく北へと蛇行し、三陸沖にやってきたのです。
気象庁は1か月先まで海流の予測を出していますが、2月はじめでもやはり黒潮続流は三陸沖に達している予想です。この黒潮続流が今後どうなっていくかが、2024年の天候、特に夏の暑さがどうなるかの鍵を握っていると言えそうです。