女性に性的行為を強要したと報じた週刊文春との法廷闘争を理由に活動休止宣言したお笑いコンビ、ダウンタウン・松本人志(60)への逆風が止まらない。表明していた14日放送のフジテレビ系「ワイドナショー」(日曜前10・0)への出演が10日、急きょ取りやめになった。さらにこの日、アサヒビール、サントリー、消費者金融のアコムが松本の出演番組のスポンサー表示を局側に外させていたことを明かした。真偽が明らかになる前にもかかわらず、松本離れが加速している。
活動休止宣言した8日に「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす」とXに投稿。翌9日にも「ワイドナショー出演は休業前のファンの皆さんへのご挨拶のため。顔見せ程度ですよ」と改めて表明した松本だったが、出演はかなわなかった。
9日に1度は出演を決めたフジテレビは10日、「吉本興業と協議の上、総合的に判断した」と取りやめを発表。情報番組やネット記事に「松本だけの言い分を公共の電波に乗せるのは公平性に欠ける」「事実無根ならば記者会見を開いて語るべきだ」といった声が数多く上がったことなどから再考されたようだ。
さらにアサヒビールはこの日、東京都内で開いた会見で、昨年12月29日に放送された同局系「人志松本の酒のツマミになる話」のスポンサーとしての社名表示を取りやめたと明らかにした。広告代理店を通じ自社名を表示しないようフジ側に要請し、CMは放送した。同じくサントリーとアコムも同様の対応をしたことを明かした。
真偽が明らかになる前の厳しい対応にアサヒビールの松山一雄社長は「人権に関する基本方針に照らし、その都度最も適切な対応を取っていかないといけない」と話し、今後の対応は社内で検討中とした。
親会社のアサヒグループホールディングスとサントリーホールディングスも昨年9月、旧ジャニーズ事務所の性加害問題を受け、旧ジャニーズタレントを起用しない方針を他社に先駆けて発表した企業の1つ。今回も先陣を切った形だ。
すでに大阪府の吉村洋文知事(48)は松本が務める2025年大阪・関西万博のアンバサダーを「休止になる」と明かしている。
テレビ各局も対応に追われた。日本テレビは松本がMCを務める「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」について収録済みの14、21日放送回は予定通りオンエアし、28日放送回以降は松本不在で収録することに決定。同局系「ダウンタウンDX」を制作する大阪・読売テレビは18日の同時間帯に「秘密のケンミンSHOW極」の特番を放送し、25日からレギュラー放送に戻す。
大阪・朝日放送テレビ「探偵!ナイトスクープ」の12日放送回は収録済みのためオンエアし、その後は未定。TBSは松本出演の2番組について収録済みは放送、その後は検討中とした。余波はまだまだ続いている。
★吉本、英語&中国語でも活動休止報告
吉本興業は10日、松本の活動休止を発表した文面を英語と中国語で公式サイトに掲載した。8日に発表した日本語の文章を訳したもので異例の措置だ。松本がNetflixの番組を通じて海外に多くのファンを持つことに加えて、旧ジャニーズ事務所の性加害問題で敏感に反応した海外メディアや日本のテレビ局などに広告出稿する海外企業に対して説明したものとみられる。