能登半島地震の被災者の生活再建に向け、各省庁が支援策を相次いで発表した。 【動画】道の駅にヘリが着陸、孤立していた人たちを救助
雇用
厚生労働省は11日、企業が従業員に支払う休業手当を補助する「雇用調整助成金」(雇調金)の支給要件を広げることを決めた。
雇調金の受給は通常、設立から1年以上が経過し、直近3か月の売上高の月平均が前年同期に比べ10%以上減っている――などの条件を満たす必要がある。従業員1人あたり、最大で日額8490円が助成される。
今回の特例措置では、売上高を比較する期間を1か月に短縮し、設立1年未満の事業所も対象とする。6月末までに、地震の影響で従業員を休業させた企業などが対象で、助成率の引き上げについても、今後検討するという。
このほか、勤務先が被災して休業するなどし、一時的に働けない人について、失業手当の受給対象とする特例措置も設けた。
携帯電話
総務省は11日、被災者が本人確認書類を持っていなくても、携帯電話を契約できるように省令を改正した。
通常、契約時には運転免許証やマイナンバーカードなどの提示が必要になるが、身分証明書などを紛失した被災者のため、自己申告による本人確認で携帯電話を契約できるようにした。
災害救助法が適用された石川、富山、新潟、福井の4県の計47市町村に住む被災者が対象で、特例措置は6月末までとする。
大学
文部科学省は、全国の大学に対し、被災した学生の単位や卒業の認定を柔軟に行い、進学や就職に不利益が生じないよう配慮を求める通知を10日付で出した。
9日には、被災した受験生向けに大学入試に関する相談窓口を開設。被災者が受験予定の大学に相談した上で、さらに問題を抱えるケースなどに対応する。平日の午前9時半~午後6時に窓口(03・6734・2600)で受け付ける。
法律相談
日本司法支援センター(法テラス)では無料の法律相談を行う。期間は今年末までで、被災者専用のフリーダイヤル(0120・078309)でオペレーターが問い合わせを受け付け、後日、相談内容に応じて弁護士などが対応する。
受け付けは平日午前9時~午後9時、土曜午前9時~午後5時。被災に伴って生じうる相続問題や解雇、家屋損壊を巡る問題などの相談を想定している。