テレビ局員も平身低頭
「ゲストを出演させる際にお伺いをたてるのは当たり前、局から帰るときには幹部局員とスタッフ総出でお見送りするなど、テレビ業界においては絶対的な王様でした。今回の発表の仕方を見ても、現場のことなどどうでもいいと思っているのでしょう。さすがに局員からは、『いくらなんでも』という怒りの声があがっています」(日テレ関係者) 【写真】いったい何が…「キムタク」に起きた、まさかの異変「最近、様子がおかしい」 1月8日、吉本興業が松本人志(60歳)の活動休止を発表した。あまりにも唐突だったが、ふたを開けてみれば、1月10日発売の『週刊文春』が、松本によるさらなる性加害を報じるのをうけてのことだった。 「番組プロデューサーに吉本から連絡があったのは、発表の直前。休止の理由や期間すら不明でした。そのため、今後の収録をどうするのか、具体的な方針も立てづらい。 吉本サイドから『(松本の)代役を……』という打診はありますが、局側の対応は決まっていません。松本クラスの知名度がある芸人となると明石家さんまくらいですが、それでは番組そのものが変わってしまう。代役として現実的なのは、『千鳥』の二人や『麒麟』の川島明といったあたりですが、放送そのものを見送る可能性もある」(同前) 今回の活動休止宣言には、実は吉本もとまどっている。休止は松本が独断で決めたことだったからだ。
もうやってられるか
「1月4日放送の『ダウンタウンDX』でACジャパンのCMが流れたことからも明らかなとおり、昨年末の文春の第1弾ですでにスポンサーは撤退の動きを見せていた。現場には番組継続は難しいかもという空気感が流れ、松本さんにも漏れ伝わっていました。 そんなところに文春の第2弾があり、突然本人が休止すると言い出したんです。『裁判に注力する』としていますが、『もうやってられるか』という投げやりな気持ちもあったんでしょう」 タレント本人と会社が話し合いをし、関係各所に事前に通達するのが、不祥事が起きた際の芸能界における一般的な流れだ。しかし、相手が松本人志となると事情は違う。
吉本経営陣との溝
「昨年5月、松本さんの最大の理解者だった大崎洋前会長が会社を去った。これにより、松本さんと対等に話せる人間は社内にひとりもいなくなりました。岡本昭彦社長と藤原寛副社長は元ダウンタウンマネージャーとして出世を遂げましたが、力関係では完全に松本さんが上。一連の報道について、松本さんに進言や忠告ができる人間は皆無でした」 経営陣と松本のあいだで溝が深まった背景には、こんな事情もある。 「昨年の夏ごろ、松本さんが吉本の幹部に、『中堅芸人のギャラを上げてくれ』と要求したそうです。後輩芸人の声をうけてのことだったんでしょう。これを幹部は渋った。この一件により、経営陣と松本さんの溝が深まってしまった」(同前) 報道によると、松本に女性をアテンドしていたのは、「パンクブーブー」のツッコミ・黒瀬純やたむらけんじといった、吉本の後輩たちだったという。松本への性接待を女性に持ち掛ける様子は醜悪そのもので、吉本という会社全体のイメージを著しく悪化させたことは間違いない。 「すでにスポンサーは、『吉本芸人』というだけで難色を示し始めています。松本の番組が4月改編期に打ち切りになるだけでなく、吉本芸人がバラエティから追放される可能性もある」(前出・日テレ関係者) 「裸の王様」とともに、吉本は沈没してしまうのか。 「週刊現代」2024年1月13・20日合併号より ・・・・・ さらに関連記事『松本人志の“文春砲”で考えるべきこと…アテンド経験のある女性が語る「違和感の正体」』では、いま起きている騒動の深層について、詳しく報じています。
週刊現代(講談社)