「願い事別」2024年参るべき神社15、金運アップ、仕事の成功、そして邪魔者排除は?

神様と仲良くなるため普段から心がけたいこと

「神社に行って神様にお参りすれば、たちどころにご神徳を受けられるというのは考え違い」と言うのは、「神仏探偵」の異名を持つノンフィクションライターの本田不二雄氏。

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 普段は神様のことなど念頭にない暮らしをしているのに、ある日突然、願い事をしても神様には届かない。まずは自分の住んでいる地元に鎮座する「氏神様」とお近づきになろう。

「氏神様とは、自分が居住する地元の守り神のこと。自分がよって立つ場所の神様とねんごろな関係を結んでおくことが、日常生活を過ごす上での基本です。普段から近所の氏神様に立ち寄り、ご挨拶のお参りをしましょう」

 もしルーティーンにするなら、毎月1日に詣でるのが神縁を結ぶためのポイント。別名、朔日(ついたち)参りという。1カ月を無事に過ごせた感謝と、新しい月の無病息災や家内安全を1日にあわせて祈念することで、神様との縁が結ばれていくのだという。

「また、年に1~2回は、地域を代表する歴史ある古社や名社を詣でたいものです。連綿と多くの人々の祈りが積み重ねられた神社で、自分もその末端に身を置いていることを感じ、神様と共にあることを意識できます」

 たとえば東京近辺なら、1900年の歴史がある大國魂神社(東京都府中市)や、2400年以上の武蔵一宮氷川神社(埼玉県さいたま市)。

「個人的には、縄文期以来の聖地といわれる大宮八幡宮や井草八幡(ともに東京都杉並区)も初詣におすすめです」

 全国なら、「一宮」がつく神社も、それぞれの地域で最も格式の高い神社であり、ご神徳も高いことから、昔から現在まであつく信仰されている。

 神社では、手水を使う、二礼二拍手一礼といった基本の参拝作法(神社によって独自の参拝作法を伝えているところもある)は順守したい。

「一番大事なのは、きちんと鳥居をくぐり参道を歩いて神社に向かうこと。駐車場の横道からショートカットするなどの行為は慎みたいものです」

 確かに本気で願をかけようというときに、手を抜いていいわけがない。

あの経営者が何回も参った「道を切り開く」神社は?

「願い事別」2024年参るべき神社15、金運アップ、仕事の成功、そして邪魔者排除は?「神仏探偵」の異名を持つ本田不二雄氏  写真提供:本人

 神様と仲良くなったら、神様のご来歴(ストーリー)に自分の願いを重ねて、相性のいい神様を探そう。日本の歴史をつくった上皇や天皇、戦国大名も神様を信仰し、力を借りて成功を祈願してきた。

 現代でも、パナソニック(松下電器)の創業者で「経営の神様」と呼ばれ、1989年に亡くなった松下幸之助さんは、何回も椿大神社(三重県)を参拝したそうだ。楽天グループ創業者である三木谷浩史さんは愛宕神社(東京都)を訪れている。

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 松下幸之助さんがお参りしていた椿大神社の祭神である猿田彦は「道を切り開く」神様。経営の神様らしいチョイスといえよう。三木谷浩史さんが詣でた愛宕神社は、出世神社といわれている。

「彼ら経営者は、こうした特別なご来歴を持つ神様にご縁を感じて、各々の神社と神縁を結んだと思われます」

 神様ならどの神様でもいいというわけではない。神様にも、それぞれに得意分野がある。なぜこの神様は縁結びなのか、金運の神様なのかなど、神様のご来歴から知ることができる。それによって、自分はどの神様にお願いすればいいのかが分かるというもの。

 では、ビジネスパーソンにとって頼りになる神様はどこにいるのか。本田氏に神様のご来歴とご神徳を教えてもらった。

金運アップ、仕事の成功、邪魔者排除……願い別に神様を分類

・勝負に出るなら八幡系 

 全国に8万社あるといわれる神社の中で、石清水八幡宮(京都府八幡市)、鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)、筥崎宮(福岡県福岡市)など、もっとも多くの神社に祀(まつ)られているのが八幡神。多くの武門からあがめられ、源頼朝は源氏の守り神として鶴岡八幡宮を創建したのはご存じの通りだ。

 未曾有の国難といわれた元寇では、石清水八幡宮の本尊の手にあった矢が西方に飛び去り、神風を吹かせて敵方の軍船を壊滅したとも伝承されている。

「古来、国の大事を救ってきた強力な神様。ライバルを倒して勝利を手にしたいなら八幡様にお参りをしてみてください」

・金運財運向上なら稲荷系

 伏見稲荷大社(京都府京都市)、笠間稲荷神社(茨木県笠間市)、祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)という三大稲荷から、町の路地奥にたたずむ小さな稲荷社まで、金運財運を授けてくれる稲荷神は私たちの身近にいる。

 お稲荷さんのご社殿の前にいるのが、口に宝珠と鍵をくわえた神狐。宝珠は願いをかなえる宝、鍵は宝の蔵を開ける道具を示していて、稲荷神をお参りすればどんな祈願もかなえ、財福を与えるというご神徳をシンボライズしている。

「異色のお稲荷さんを挙げるならば、品川神社境内の阿那稲荷神社(東京都品川区)。その下社は、石組みで補強された洞窟の中に祀られています。地味ですが、神秘的で、この洞窟の中に湧き出している『一粒万倍』のご神水でお金を清めれば、金運アップが期待できると人気です」

・現世ご利益の最強は弁財天

 江島神社(神奈川県藤沢市)竹生島神社(滋賀県長浜市)、厳島神社弁財天(広島県廿日市)など弁財天は、仕事をしていく上で、オールマイティーなご神徳を授けてくれるありがたくも強い味方だ。

 江島神社の場合、まずは発祥の地である江の島岩屋洞窟へ。手燭(てしょく)を持って、洞窟内の石仏や奇岩を拝しながら進む。そして神社内の八角のお堂・奉安殿に奉祀されている2体の弁財天のお参りをしたい。

「弁財天の中でも『八臂(はっぴ)弁財天』は女神でありながら8本の手に弓、矢、刀などを持つ戦闘神。琵琶を抱えた裸像の『妙音弁財天』は芸事や弁舌の才能を開花させるといわれ、大勢の人の前でのプレゼンテーションなどで、力を発揮させてくれる神様です」

・邪魔者を排斥するなら須佐之男(天王)系

 八坂神社(京都府京都市)、須賀神社(東京都新宿区)、津島神社(愛知県津島市)などは、かつて須佐之男神と同体とされた、牛頭天王を祀った神社。

 もとは災厄をもたらす荒ぶる神だが、そのパワーをもってして災いを払いのける神へと転化したことから、魔除けパワーは最強。

「須佐之男神は、皇室の祖先である天照大御神の弟神で、『八俣の大蛇』という八頭八尾を持った大蛇を退治したことで知られる神様。最初は高天原の厄介者だったが、地上に降りてからは人々を救う正義のヒーローになり、神社の祭神になりました。邪魔者を蹴散らしたいときは詣でてはいかがでしょうか」

東京の愛宕神社にある86段の「出世階段」

・事業が火の車になったら愛宕系

 愛宕神社(京都府京都市、東京都港区)の主祭神は、火の神である火産霊命(別称はカグツチ)。防火に関するご神徳が得られることで知られている。

 経済状態が立ち行かずに「火の車」になった会社の火も消してくれて、商売繁盛につながるといわれているのだ。

「ちなみに神仏習合の時代、この祭神の根本(本地)は『勝軍地蔵』とされ、困難を打破する仏神として武将らにあがめられていました。東京のビル街に鎮座する愛宕神社には86段の『出世の階段』があります。困難な状況に勝機を見いだすためにも、ぜひ上がってお参りしましょう」

 神様のストーリーに思いをはせれば、どの神様からどういったご神徳を授けていただくかが、分かっていただけたのではないだろうか。2024年をどんな年にしたいか目標が定まったら、神様にお願いをしにいこう。

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