米国南西部の白亜紀後期の地層から、ティラノサウルス科の新種の恐竜化石がみつかった。
恐竜界の「最強の王者」と言われるティラノサウルス・レックス(Tレックス)の近縁種で、Tレックスが出現する500万~700万年前に陸上生態系のトップに君臨していた「親戚」の可能性があるという。
米国やカナダなどの研究チームが11日、科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文を発表した(https://doi.org/10.1038/s41598-023-47011-0)。
米ニューメキシコ州で発見されたのは、頭骨とあごの化石。当初はTレックスの化石とみられていたが、頭骨の形状や接合部分の違いから、ティラノサウルス科の新種と判断した。発見した地層の名から、ティラノサウルス・マクレイエンシスと命名した。
放射年代測定などによると、7300万~7100万年前に生息し、全長12メートルほどの巨体だったとみられる。Tレックスの出現よりも古く、形態の分析などからTレックスに最も近い近縁種と判断された。