2023年の世界平均気温、観測史上最高 24年はさらに暑い可能性

世界気象機関(WMO)は12日、2023年の世界の平均気温が観測史上最も高かったと発表した。

 太平洋の東側の海面水温が平年よりも高くなる「エルニーニョ現象」と気候変動が組み合わさって、同年後半に気温が上昇し、平均気温を押し上げたという。

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 23年が年間の世界平均気温の記録を更新したことは、すでに欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスが9日に発表している。WMOはこれも含め、国際的な六つの気象データを検証した。1850~1900年に比べ、23年の世界平均気温は1・45度前後(1・33~1・57度)上昇した。23年6~12月はすべての月で月間の最高平均気温を更新した。

 世界の平均気温は1850~1900年と比べると、16年は1・29度前後、20年は1・27度前後高かった。23年は大幅に記録を更新した。

 温暖化の国際ルール「パリ協定」では、温暖化による危険な影響を減らすため、今世紀末時点での気温上昇を産業革命前と比べて2度よりかなり低く、できれば1・5度に抑える目標を掲げる。

 23年の世界平均気温について、WMOは「世界はパリ協定で定められた限界にますます近づいている」と評価した。これまでの予測では、27年までに世界平均気温が一時的に1・5度を超えてしまう確率が66%あるとされている。

 WMOのセレステ・サウロ事務局長は「エルニーニョ現象は通常、ピークを迎えた後に世界の気温に最も大きな影響を与えるため、24年はさらに暑くなる可能性がある」とする声明を出した。(ワシントン=合田禄)

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