仙台市の観光振興策、年間最大23億円と試算 宿泊税300円で財源18億円を確保

仙台市は12日、市交流人口拡大推進検討会議の第7回会合を市役所で開き、強化すべき観光振興策の事業規模が年間15億~23億円に上るとの試算を示した。財源の裏付けとなる宿泊税の試算も公表し、一律300円を課す場合は18億6000万円を賄える見通しを明らかにした。

 市は強化すべき施策として(1)青葉山、中心部、温泉地、東部の4区域の施設改修など魅力の磨き上げ(6億~10億円)(2)海外プロモーションの強化や閑散期の宿泊促進などの交流人口拡大促進(5億~8億円)(3)デジタルトランスフォーメーション(DX)対応や人材確保支援といった受け入れ環境の充実(4億~5億円)-の三つを挙げた。

 宿泊税の試算は他に3パターンを例示。料金に応じて1泊100~400円とするケースは、市が目標に掲げる市内宿泊者数650万人を当てはめ、8億6000万円とした。一律200円は12億3000万円。3000円以上に300円を課す場合は17億5000万円と見込んだ。

 宿泊事業者の委員は「必要な事業だけを積み上げれば年15億円程度の現状の予算内に収まる。追加負担の必要はない」と反発。別の事業者は、県が宿泊税の議論を15日に再開する動きを念頭に「市が宿泊税を導入せず、県に(税収を)全て持っていかれるのが最悪のシナリオだ」と懸念した。

 次回会合は2月5日の予定。会長の吉田浩東北大大学院教授(公共経済学)は終了後の取材に「使い道について委員の納得が得られないままでは、税は導入できない。効果を定量的に示し、施策を取捨選択することが大事だ」と述べた。

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