松本人志の裁判休業で“松ちゃん頼り”だったテレビ界は大きな方向転換へ 「性の闇」のパンドラの箱が開く可能性も

 一般女性への性加害疑惑を『週刊文春』に報じられた「ダウンタウン」の松本人志(60)が休業を発表した。 【写真】『ガキの使い』レギュラーメンバー5人で撮った1枚。学ラン姿

「MC番組をどうするか、コンビの番組は浜田だけで続けるかどうかなど、各局が対応に追われている。番組スタッフたちは大わらわです」(スポーツ紙デスク)  現在、松本のレギュラー番組は『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)、『まつもtoなかい』(フジテレビ系)など計7本。ある番組制作会社の幹部は、「ほとんどの番組は松本がいないと成り立たない」と話す。 「コンプライアンス全盛のなか、松本がいるから攻めた企画が通っていた。『ガキ使』や『水曜日のダウンタウン』(TBS系)をはじめ、どこまでが笑いとして許容されるか、テレビマンは松本の番組で“検証”してきた節があったんです。  例えば『水ダウ』のタバコ我慢大会とか、局側が喫煙シーン自体を避ける傾向が強まるなか、ああいう企画は松本のお墨付きがあってこそ成立してきた部分がある。『ガキ使』のケツバット復活も難しいでしょう。休業は数年単位とも報じられており、今後はバラエティ番組の萎縮が一層進む可能性がある」  番組内容だけではなく、出演者への影響も避けられない。 「裁判が終わるまでは騒動に関わる他の芸人にも影響は及ぶでしょう。これをきっかけにテレビ界の“性の闇”が明るみになる可能性もある」(前出・スポーツ紙デスク)  自らテレビを去る芸人も現われるかもしれない。“松本チルドレン”を自称する芸人は多く、過去に「フットボールアワー」の後藤輝基は「松本さんの影響で多くの尖った芸人が生まれてきた」と力説した。 「攻めた表現を求めた芸人らが地上波から消えて、Amazonプライム・ビデオやNetflixなどの配信番組に活動の場を移すかもしれない。すでに松本自身、『ドキュメンタル』や『FREEZE』など配信番組に力を入れ始めていましたから」(前出・スポーツ紙デスク)

 テレビ解説者でコラムニストの木村隆志氏の話。 「平成以降のバラエティの歴史は、ダウンタウンの歴史とほぼイコールです。近年では『すべらない話』(フジテレビ系)や『IPPONグランプリ』(同)など、自身が回し役になって他事務所の芸人も活躍できる番組フォーマットを確立させた。  近年は後輩芸人のために、狭まる一方のお笑い表現の幅を広げようと闘ってきました。配信番組に活路を見いだしたのもその延長でしょう。今後、“松ちゃん頼り”だったテレビ界は大きな方向転換が求められます」  松本の活動休止は、バラエティ消滅の引き金となるのか。 ※週刊ポスト2024年1月26日号

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