日本地震予知学会が警鐘…!次に巨大地震が起きる「地域の名前」《地図で一目瞭然》

新春を寿ぐはずの元日に突如襲った大地震では、死者・安否不明者が200人を超えている(1月10日時点)。同じ規模の巨大地震はどこで起きるか。

前編記事『次の「M7クラス」大地震の前兆が現れている…!日本地震予知学会がいま、もっとも心配している「港町の名前」』に続き、地震予知学を専門とする東海大学および静岡県立大学客員教授の長尾年恭氏が、地下の異常を冷静に、常時見守る研究で予測する。

今後1000年大地震が起きない地域

「いつ、どこで地震が来るのかという情報も大事な地震予測ですが、反対に『起きる可能性は極めて低い』というのもまた、大事な情報です。

これから大きな地震が起こる可能性が低い地域は断層の歪みが解消されているところ。たとえば、今月地震が起きた能登半島です。

その意味では、阪神・淡路大震災が起きた神戸市なども可能性が低い。つまり、20世紀に入ってから大地震が起きたところは大丈夫です。いまマンションを買うなら、今後1000年間、大地震は起きないと見込まれる、神戸がおすすめです」

東北もまだ危ない

「ただし注意しなくてはならないのが、東日本大震災が起きた東北地方。その最大余震は、まだ来ていないと考えられるからです。

通常では、本震よりM1ほど小さい地震が最大余震として起こります。東日本大震災はM9.0でしたので、M8クラスの最大余震が想定されます。これまでの最大余震は3月11日当日に茨城県沖で起きたM7.6です。それはM8の4分の1の大きさにすぎません。

振り返れば、1933年の昭和三陸地震(M8.1)は1896年に発生した明治三陸地震(M8.2~8.5)の余震でした。明治の地震の余震が、40年近く経った昭和に起きた。今回の東日本大震災の最大余震もこれから起きることは十分に考えられるのです」

数年のうちに噴火する火山

「東京都について言えば、首都圏はいまのところ異常がないので、比較的安心です。ただ懸念されるのは、小笠原諸島で火山活動が活発化していることでしょう。

陸上の火山で次に噴火すると言われているのは、伊豆大島の三原山です。まだ切迫した状況ではありませんが、数年のうちに噴火するのではないかと思います。

この火山活動の活発化が、南海トラフ(駿河湾から紀伊半島の南側の海域を経て日向灘沖まで続く溝状の地形)で巨大地震が起きる時期を早めてしまうかもしれません」

「’95年の阪神・淡路大震災以来、鳥取県西部地震(M7.3、’00年)、新潟県中越地震(M6.8、’04年)などと大地震が続き、このたびは能登半島で起きました。

2030年代に起こると予測されている南海トラフ巨大地震に向けて、内陸で地震が増えている時期だと思います」

「駿河湾から静岡県の内陸部を震源域とするM8クラスの巨大地震も想定されていますが、いつ発生してもおかしくはありません。静岡県では約10万5000人が犠牲になり、最悪の場合、全国で6000万人が被災してしまうという予測もあります。太平洋から離れた大阪府も他人事ではありません。1854年の安政南海地震では、大阪の道頓堀にまで津波が到達しているのです」

「南海トラフの巨大地震が起きた後、’40年代の研究者はおそらく、『’23年の能登半島地震は、南海トラフ巨大地震の中・長期の前兆だった』と言うはずです。

能登半島地震を教訓にし、来るべき巨大地震から身を守るためにいまから備えておかなければならないのです」

「週刊現代」2024年1月13・20日合併号より

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世界で最も災害の多い国、日本。かつて我々の先祖たちは、災害の恐ろしさを地名に託し、後世に伝えようとしていた。関連記事『災害の記憶をいまに伝える日本全国「あぶない地名」』では、そんな災害と深く関係する地名の数々を、「現場検証」しています。

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