ホヤ殻を餌にしたら、金魚の赤み強まった!? 気仙沼向洋高生が研究、全国大会で最優秀賞

気仙沼向洋高(宮城県気仙沼市)の産業経済科3年生のグループが、昨年12月に富山県で開かれた全国水産・海洋高校生徒研究発表大会で、宮城県勢では初となる最高賞の最優秀賞を受賞した。廃棄されるホヤの殻を活用した餌を与えた金魚の赤みが強まる研究成果を発表。地域課題の解決にもつながる取り組みとして高く評価された。

廃棄物を有効活用 「新しい産業につながる」

 同校では2020年度からホヤ殻の活用をテーマに研究を続けてきた。阿部蓮さん(18)、菊田嗣実さん(18)、中沢謙人さん(18)の3人は殻の鮮やかなオレンジ色に着目した。

 粉状にしたホヤ殻を市販の餌に混ぜて金魚に与えると、通常の餌よりも金魚の赤色が鮮やかになった。海外でも人気の高いニシキゴイなど、観賞魚の色を鮮明にする餌への転用が期待される。

 また、ホヤ殻から取り出した色素を分析すると、「ゼアキサンチン」に近い成分があることを確認した。

 抗酸化作用があるゼアキサンチンは、加齢性白内障の原因となる目の水晶体の傷みを防ぐ働きがあり、サプリメントにも使われる。

 ホヤの重量の約4割は殻で、現在はほとんどが産業廃棄物として処分されており、資源として活用できる可能性が示された。

 阿部さんら3人は10日、宮城県庁で佐藤靖彦教育長に結果を報告し「今は業者がお金をかけて廃棄しているホヤ殻から価値を創造する。新しい産業につながるのではないか」と話した。

 大会には各地の予選を勝ち抜いた11校が参加した。

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