約10年後の203Q年、地方局の再編が始まり、その10年後の204Q年、キー局は3大ネットワークに統合される――。元キー局経営幹部が、テレビの近未来を大胆に予測する『テレビ局再編』が1月17日に発売!

今から約10年後の203Q年、地方局の再編が始まり、その10年後の204Q年、キー局は3大ネットワークに統合される――。ネットに押され、「メディアの覇者」の座から陥落したテレビに未来はあるのか? 元キー局経営幹部が、テレビ70年の歴史を振り返りながら、「2030年代の地方局再編」「2040年代の3大メガネットワーク誕生」など、テレビの近未来を大胆に予測する新潮新書『テレビ局再編』が1月17日に発売されます!

長きにわたってテレビは「メディアの覇者」として君臨してきました。しかし、その栄光の時代は、確実に過去のものになりつつあります。2020年度の日本の広告総額費は6兆1600億円。その中で、インターネット広告が2兆2290億円を占め、初めて第1位を獲得しました。かつての王者、地上テレビ広告は1兆8949億円で第2位に。翌21年度は、インターネット広告費が、マス4媒体(新聞・テレビ・ラジオ・雑誌)の総広告費をも上回る結果となりました。さらに22年度に至っては広告費総額が過去最高の7兆1021億円となる中で、インターネット広告は3兆912億円。もちろん堂々の第1位で、2019年から数えて僅か3年で1兆円の上積みに成功しました。これに対してテレビ広告費は前年よりは回復したものの、1兆8019億円に留まり、かつての「2兆円産業」の面影はもはやありませんでした。メディアの覇者は、テレビからインターネットに明らかに代わり、「汎テレビ」時代から「汎インターネット」時代となったのです。

テレビは「メディアの覇者」の座からは滑り落ちましたが、相変わらず2兆円近くの広告費は稼いでいるわけですから、突然、奈落の底に落ちていくわけではありません。ただ、これまでのように安泰かと言えば、そういうわけにはいきません。たとえば、2020年度の民放決算では、地上民放127社中、20社が最終損益で赤字を計上しました。内訳は系列地方局16社、独立U局4社。翌21年度決算では、民放各局とも売り上げを前年より伸ばして、赤字局は系列局で11と、若干回復しましたが、22年度の赤字局も計20社。テレビ経営の現在位置は、長く続いた安定期の終盤にあるのかもしれません。

そして、少子化の波は、テレビ局の経営にも容赦なく襲いかかります。まず、今から10年後の2030年代には、不振の地方局から再編の動きが始まります。それは「1局2波」「1エリア3局体制」など、様々な形で起こります。そして地方から始まった再編の動きは、2040年代にはキー局をも飲み込んでいく――。「メディアの覇者」の近未来を、元キー局経営幹部が大胆に占います。

■目次

序 章 テレビは若者に支持されているか

第1章 成熟の汎テレビ時代 1980年代~90年代

第2章 デジタルの時代 2000年代~2010年代

第3章 新たな覇者、インターネット 1990年代~

第4章 インターネットと、放送の自律 

第5章 テレビ経営の現在位置

第6章 ネットワークは誰が救うのか

第7章 「テレビ局再編」を考えるヒント

第8章 テレビの価値再発見 2023

第9章 203Q年のテレビ局再編

終 章 テレビは終わらない

■内容紹介

203Q年、地方局の統廃合が始まり、その十年後にキー局は3つに収斂される――。長きにわたってメディア界の覇者として君臨してきたテレビだが、広告収入はネットに追い抜かれ、「オワコン」と揶揄する声も。落日の巨人はどうすれば栄光を取り戻すことができるのか? その具体的な道筋とは? 我が国のテレビ70年の歴史を振り返りながら、キー局の元経営幹部がいま明かす、終わりなきテレビの未来とは。

■著者紹介

1957(昭和32)年、東京都生まれ。ジャーナリスト、メディア研究者。早大政経学部卒。日本テレビにて編成、報道、メディア戦略に従事。同社取締役執行役員、札幌テレビ社長を歴任。著書に「新天皇 若き日の肖像」「誰も知らない東京スカイツリー」などがある。

■書籍データ

【タイトル】テレビ局再編

【著者】根岸豊明

【発売日】1月17日発売

【造本】新書版

【本体定価】880円(税込)

【ISBN】 978-4106110252

【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/611025/

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