2019年10月の台風19号豪雨で浸水被害をもたらした阿武隈川支流の4河川について、流域5市町や国、県などでつくる「尾袋川・小田川流域水害対策準備会」は17日、国の「特定都市河川」の指定を目指す方針で一致した。国との協議を経て、本年度内の指定を見込む。
指定を目指すのはいずれも県管理の尾袋川と小田川、高倉川、雑魚(ざっこ)橋(ばし)川。流域面積計約87平方キロの大半は角田市内だが、白石市や大河原、柴田、丸森3町も含まれる。
特定都市河川の周辺では、開発規制などを講じることができる浸水被害防止区域や貯留機能保全区域の指定が可能となり、雨水の地下浸透を阻まないように1000平方メートル以上の開発には許可が必要となる。河川改修や排水機場などの整備加速化も期待され、新年度にも立ち上げる法定協議会が流域水害対策計画を策定する。
角田市の角田自治センターで同日開催された準備会には関係者約40人が出席。台風災害で1500世帯以上が床上浸水などの被害を受けた角田市の黒須貫市長は「この地域は水との闘いの歴史だった。関係者の総意によって治水事業が進むことを願う」と述べた。