県が主導する仙台医療圏4病院の再編構想のうち、仙台赤十字病院(仙台市太白区)と県立がんセンター(名取市)を統合して名取市に新病院を整備する計画について、県は19日、新病院の運営主体となる日赤への財政支援が総額200億円程度になると説明した。
県議会環境福祉常任委員会で委員の質問に答えた。新病院の建設費を物価高騰の影響も加味して300億円程度と見込んだ上で、国の財政支援を受けて積み立てる「地域医療介護総合確保基金」からの交付、県の独自支援、日赤の自己負担を100億円ずつとした。
志賀慎治県保健福祉部長は「負担の方法など細かい部分は日赤とさらに協議していく」と述べた。
厚生労働省が16日、仙台医療圏を病院再編の「重点支援区域」に選定した際、関係自治体や地域住民に丁寧に説明し、理解を得ることを選定の条件としたことについても議論になった。
志賀部長は「例えば住民の理解を得られていないから選定を取り消すといった意味合いの条件ではないと確認している」と答弁。住民らの理解を得る手法を問われ「国からは具体的にこういう形なら同意を得たとみなすなど細かい話(説明)は得ていない」とかみ合わない回答に終始した。
常任委では、県の地域医療構想アドバイザーを務める藤森研司東北大大学院医学系研究科教授(医療政策)を参考人に招き、病院再編に関する意見を聞いた。