ニデック、中国でEV駆動装置苦戦 「価格がぼんぼん下落」と永守会長

[東京 24日 ロイター] – ニデック(旧日本電産)は24日、2024年3月期の連結営業利益(国際会計基準)予想を前年比80.1%増の1800億円に下方修正した。従来予想の2200億円から18.2%引き下げた。中国で電気自動車(EV)の価格競争が激化している影響を受け、駆動装置事業で構造改革費用を計上する。成長領域としてきた同事業を再スタートしたい考え。

永守重信・会長兼最高経営責任者(CEO)は苦戦する中国市場について、モーターと減速機、インバーターを一体化したEV向け駆動装置「イーアクスル」の「価格がぼんぼん落ちて、想定と全然違う水準になってしまった」と説明。「50年間の会社経営の中で、競争相手もお客さんも全部赤字なんて事業は初めて」と語った。セット定期特別金利キャンペーン

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下方修正後の営業利益見通しは、IBESがまとめたアナリスト18人の予想平均値2196億円を下回った。

ニデックは今年度、イーアスクルの販売台数見通しを2回引き下げていた。2度目の下方修正となった昨年10月の前回決算公表時、収益性重視の姿勢を明確にして車載事業の戦略方針を転換した。それに伴い、今回の決算発表では在庫の減損処理など一時費用として通期業績見通しに450億円を織り込んだ。

ニデックが新たに公表したイーアクスル事業の来年度業績見通しによると、上期まで赤字が続き、10─12月期に黒字転換、25年1─3月期に45億円の営業利益を計上する。米クライスラーなどを傘下に抱える欧州自動車大手ステランティスとの合弁会社の販売が伸びる上、国内自動車メーカーからの受注も寄与すると見込む。

永守会長は保守的な見通しとする一方、「いったん信用を落としているので、今は何を言っても信用できないという人が多い」と語り、結果で証明する姿勢を示した。

同時に公表した23年4―12月期の連結業績は、営業利益が前年同期比36.1%増の1693億円で同期間で過去最高を更新した。産業用モーターがけん引した。株主還元を拡充し、発行済株式数の0.34%に当たる200万株、総額110億円を上限とする自社株買いを決議。年間配当予想を1株75円とし、従来予想から5円上積みした。

永守会長は、かねてから同社の問題になっている自身の後継者について、来月新たな人事を公表することも明かにした。ニデックは現在5人いる副社長の中から4月に次期社長が就任し、小部博志社長が会長兼CEOに就く方針を発表していた。永守会長は退任後、M&A(企業の合併・買収)に専念するという。

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