EUの乗用車CO2排出量、12年前から減らず=会計検査院

Benoit Van Overstraeten

[ブリュッセル 24日 ロイター] – 欧州会計検査院(ECA)は24日発表した文書で、欧州連合(EU)域内では大半の乗用車による二酸化炭素(CO2)排出量が12年前から減少していないと指摘した。EUは2010年に排出削減目標を設定したが、メーカーが抜け穴を利用して実際の排出量を減らしていないとしている。

ECAによると、メーカーが抜け穴を駆使して試験段階でのCO2排出量を減らした結果、実際に公道を走る際の排出量との間に「多大な」差が生まれた。

2015年に発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正スキャンダルを踏まえ、公道での走行状態をより良く反映した試験基準が17年に義務化された結果、この差はゼロにはならないまでも縮小したとECAは説明。しかし「今なお新車登録の4分の3近くを占めている従来型の自動車による実際の排出量は減っていない」という。

EUでは、2021年時点で温室効果ガス排出量の23%を運輸セクターが占めており、その半分以上が乗用車によるものだ。

ECAによると、ディーゼル車の排出量は10年前と変わっておらず、ガソリン車は4.6%減と微減にとどまった。

ハイブリッド車も、実際の排出量が試験段階の排出量を大幅に上回っており、これが修正されるのは2025年からだとECAは指摘。「それまではプラグインハイブリッド車が低排出ガス車として扱われ続け、メーカーを利するだろう」としている。

ECAは、近年実際のCO2排出量を平均的に減らしてきたのは電気自動車(EV)だけだと結論付けた。

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