妻の心無い暴言や態度によるストレスで体調不良となる夫がいます。こうした妻の特徴的な言動で引き起こされる夫の心身の不調を、最近は妻源病(さいげんびょう)と呼ぶようになりました。妻源病を引き起こす妻の特徴や、夫を妻源病にしないための10の禁句など対策を紹介します。
【表】あなたは大丈夫?「妻源病チェックリスト」…あてはまる数が多ければ、夫婦関係の見直しを
妻源病とは?チェックシートで確認
妻源病(さいげんびょう)とは妻の言動によるストレスで、夫が心身に不調をきたす状態です。夫の存在が原因で妻が体調を崩す症状を、心療内科医の故・石蔵文信氏が「夫源病」と命名。これに対して、妻が原因となるケースを「妻源病」と呼ぶようになりました。夫婦の「婦」をとって婦源病と呼ぶ人もいます。婦源病も意味は同じです。
「夫源病」や「妻源病」、「婦源病」は医学的に認められた病名ではありませんが、テレビなどで取り上げられ、よく知られるようになりました。しかし、夫源病に比べ妻源病は取り上げられることが少なく、心身の不調の原因が妻に関連していると気付いていない夫も多いようです。
妻源病のチェックシートを紹介しますので、男性は自分に妻源病の兆候がないか、確認してみてください。女性も、自分の言動が夫のストレスや不調の原因になっていないか、振り返ってみるといいでしょう。チェックリストの項目に一つでも当てはまると妻源病の可能性があります。数が多ければ、夫婦関係を見直したほうがいいかもしれません。
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・妻の反論を恐れて自分の意見を言えない
・妻が自分の行動を常にチェックしている
・子どもが父親である自分を尊敬していない
・自分の収入が少ないことを妻から責められる
・しばらく妻から感謝の言葉を聞いていない
・妻と会話をすると自分に自信がなくなってくる
・家事をすると妻に文句を言われることが多い
・職場から家に帰りたくないと思うことがある
・妻と同じ空間にいると体調に異変を感じる
妻源病を引き起こす妻の特徴は?
一般的に、DVやモラハラといった夫婦間のトラブルは、妻が被害者というイメージがあります。また「夫がしっかりしなければ」という世間の常識から、夫がつらい気持ちを隠して我慢しているケースも少なくありません。こうしたことから、妻源病や婦源病は、夫源病より知名度が低いようです。
夫源病が大きくクローズアップされる一方で、妻源病や婦源病があまり知られていないため、無自覚のうちに夫の心身に負担をかけている妻もいるようです。そこで、妻源病を引き起こしやすい妻の特徴を解説します。
・モラハラ妻
・情緒が不安定な妻
・愚痴ばかり言う妻
・要領の悪い妻
・ルーズな妻
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▽モラハラ妻
妻が、夫の人格を否定する言動を繰り返すモラハラ気質だと、夫は妻に怯えながら暮らさなければなりません。欠点をしつこく指摘され続けると言い返す気力も失われ、ストレスで体調を崩すこともあるでしょう。夫の地位や収入の低さを罵倒したり、子どもに夫の悪口を教え込んだりするのも、妻源病を引き起こす妻によく見られる特徴です。
▽情緒が不安定な妻
感情のコントロールが苦手で、怒りや悲しみなどの感情をそのまま夫にぶつけてしまう妻も、妻源病を引き起こすことがあります。日ごろから情緒不安定な妻と接している夫は、予測不能な妻の言動に疲弊して、心身に不調を抱えている可能性があります。
ただ、妻がヒステリックになってしまうのは、ホルモンバランスの乱れなど女性特有の症状にもみられる特徴です。妻自身も悩んでいる場合は、婦人科や心療内科といった医療機関の受診も検討しましょう。
▽愚痴ばかりの妻
夫婦の会話は大切ですが、妻が話す内容が常に愚痴ばかりだと、妻源病のリスクが高まります。こういった妻は、自分の職場の理不尽さや子どもの保育園への批判など、夫にはどうすることもできない不満までぶつけるのが特徴です。ネガティブな話題ばかり聞かされる夫は、そのうち妻の顔を見るだけで暗い気持ちになってしまうかもしれません。
▽要領の悪い妻
買い物の優先順位を間違えてお金を使い過ぎたり、子どもを心配するあまり過保護になったりする妻は、夫の精神的な負担になりがちです。家計や育児、しつけといった夫婦にとって重要な部分で要領が悪い妻がいると、そのフォローのために夫は神経をすり減らすことになります。
このような妻は夫と異なる価値観を持っているのが特徴です。妻源病を引き起こしても、夫が何に悩んでいるのか気付かない場合があります。
▽ルーズな妻
家事の手抜きが多かったり、約束の時間に遅れたりと行動や性格にルーズさが目立つ妻も、妻源病を引き起こす可能性があります。特に、夫が何事もきちんとしたい性格の場合、このような「ズボラな妻」は一緒に暮らすのもストレスになるかもしれません。
妻源病を引き起こす10の禁句とは?
妻から夫への何気ない一言が妻源病を引き起こす原因になっていることがあります。ここでは妻源病を引き起こす可能性が高い一言を「10の禁句」として紹介します。女性は、夫に日常的に使っていないかチェックしてみましょう。また、「10の禁句」を言われることが多いと感じる夫は、妻源病による心身の不調がないか振り返ってみてください。
・「まだ帰ってこなくていいのに」
・「もうやらなくていいから」
・「そんなの常識でしょ」
・「なにか文句あるの?」
・「男なんだからできるでしょ」
・「そんなこともできないの?」
・「私が悪いってこと?」
・「そのくらい気付いてよ」
・「あのときもそうだった」
・「あなたのせいだからね」
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▽「まだ帰ってこなくていいのに」
10の禁句の1つ目は、食事の支度途中や、一人で集中したい作業があるときなどに、つい言ってしまいがちです。しかし、言われた夫は妻から邪魔者扱いされて傷ついているかもしれません。また、夫自身も住んでいる家なのに、このようなことを言われると理不尽に感じるでしょう。
▽「もうやらなくていいから」
10の禁句の2つ目は、夫が行った家事が思っていたのと違ったときに、よく言ってしまうセリフです。夫は妻の負担を減らすために家事をしたのに、感謝の言葉ではなく文句を言われると悲しい気持ちになるでしょう。また、改善すべき点を教えてほしいのに、やらなくていいと言われると、見放されたと感じるかもしれません。
▽「そんなの常識でしょ」
10の禁句の3つ目は、妻の意見に夫が賛同しないとき、世間の常識を引き合いに自分が正しいと主張するときに言いがちです。実際には常識でない場合もありますが、妻から責められて気弱になった夫は、自分が世間知らずだと落ち込んでしまうでしょう。
▽「なにか文句あるの?」
10の禁句の4つ目は、自分の意見を押し通そうとするときに言ってしまうことが多いセリフです。夫も内心では不満があっても、強い口調で言われると黙って妻に従うしかありません。
▽「男なんだからできるでしょ」
10の禁句の5つ目は、男女の違いを利用して、夫に面倒ごとを押し付けるときに多用しがちです。責任感が強い夫は自分が疲れていても、無理をして力仕事や車の運転などを引き受けてしまうかもしれません。また、拒否すれば「男のくせに」と夫のプライドを傷つける言葉を発する妻もいます。
▽「そんなこともできないの?」
10の禁句の6つ目は、夫がなにかミスをしてしまったとき、フォローする言葉より先に口にしがちな一言です。誰しも得意・不得意があるように、妻にとっては簡単な作業でも夫は苦戦することもあるでしょう。お互い助け合えばすぐに解決する問題なのに、妻の冷たい一言で、夫は自信を無くしてしまうかもしれません。
▽「私が悪いってこと?」
10の禁句の7つ目は、妻の愚痴に意見しようとした夫を黙らせるために言うケースが多い言葉です。不機嫌な妻をなだめようとしただけなのに、急に悪者扱いされては夫も困惑してしまいます。
▽「そのくらい気付いてよ」
10の禁句の8つ目は、洗面所の水垢など家事の不備を見つけたときに、イライラして言ってしまう言葉かもしれません。しかし、そういった細かな清掃の必要性は個々人の感覚によって異なり、夫としては暮らしやすいよう整えたつもりかもしれません。具体的な指示もないのになぜ気付かないのかと責められても、夫は答えに窮するだけでしょう。
▽「あのときもそうだった」
10の禁句の9つ目は、過去に夫がミスをした話を引き合いに出して、しつこく責めるときに多い一言です。すでに解決した問題であっても、夫は何度も謝らなければならず、精神的に徐々に追い詰められていくかもしれません。
▽「あなたのせいだからね」
10の禁句の10個目は、夫に責任を押し付けて自分は関係ないと開き直るときに使われるセリフです。自分のせいではないことまで責任を負わされる夫は、妻の協力が期待できない中、一人で悩まなければなりません。
妻源病の対策法は?
妻源病で精神的なストレスが深刻化すると、心身の不調として現れることがあります。妻源病が疑われる場合に知っておきたい対策を3つ紹介します。日常生活にも支障をきたす不調がある場合は、医療機関を受診しましょう。
▽物理的な距離を置く
妻が近くにいるだけで夫がストレスを感じる場合、夫婦が別々に過ごす時間を増やしましょう。妻から離れて一人の時間を作ることで、気持ちが休まり妻源病の症状も軽くなるかもしれません。気分転換しながらまとまった時間を過ごせる習い事やスポーツジムなどもよいでしょう。
▽ストレスを溜めないルールを作る
トラブルになりそうな場面には、あらかじめ夫婦間でルールを設定しておくと、妻源病の原因となるストレスの軽減に役立ちます。たとえば、夫の掃除の仕方にいつも妻がダメ出しする場合、一度夫婦で掃除の手順を共有しておくといいでしょう。
清潔感や重視するポイントなど、お互いの価値観も確認できれば夫婦仲の悪化も防げます。さらに、夫婦であっても言ってほしくない言葉を決めておくなど、妻源病克服のためのルールを話し合いましょう。
▽離婚を視野に入れる
妻源病について夫婦で話し合っても、妻の言動に改善が見られず妻源病のつらい症状が続くのなら、離婚も検討すべきです。しかし、夫の不調が自分のせいだという自覚がない妻は、夫から離婚を切り出しても合意しない可能性があります。
夫婦の話し合いで解決しない場合は、離婚調停や裁判といった法的な手続きも必要になります。離婚を視野に入れ始めた段階で、弁護士に相談しておくと、問題が深刻化する前にスムーズな解決が期待できるでしょう。
妻源病に悩んだら深刻化する前に専門家へ相談を
妻の言動が原因で夫を悩ませる妻源病は、周囲も当事者夫婦も気付かないケースが多く、夫が一人で苦痛を抱えていることがあります。妻源病の対処法としては、妻源病を引き起こす妻の言動の改善が有効です。夫婦だけで解決が難しい場合は、夫が限界を感じる前に医療機関やカウンセラー、弁護士といった専門家に相談しましょう。
夫源病も妻源病も、日常のコミュニケーション不足から来るちょっとした不満が積もり積もって引きおこされる場合がほとんどです。事なかれ主義や気が弱くて妻と喧嘩のできない男性が、妻をモンスター化させているケースも少なくなくありません。
根本的な解決に必要なのは、対話と相互理解。男性と女性では身体も考え方も違います。違いを認識して、効果的なアプローチの方法を実践することで夫婦関係は驚くほど変わります。まずは専門家にご相談ください。
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◆遠藤裕子(えんどう・ひろこ)夫婦カウンセラー/課題解決型マッチングメディア「リコ活」専門家
これまで2000人以上の相談実績を持つ離婚カウンセラー。過去に年間1,600件の調査を担う探偵事務所にいた経験から、多角的な現状分析、効果的な問題解決方法の提案に定評がある。
自身でも夫の浮気を経験し、夫婦関係を修復したことから、夫婦問題の解決まできめ細かいサポートに注力している。
【保有資格】 日本家族問題相談連盟 離婚カウンセラー/NLPマスタープラクティショナー/LABプロファイルプラクティショナー/ホームカウンセラー
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