富士フイルム、熊本で半導体材料の生産開始 菊陽町の工場、TSMCに供給

富士フイルムは25日、熊本県菊陽町にある富士フイルムマテリアルマニュファクチャリング九州エリア(旧富士フイルム九州)の工場に導入した半導体材料の生産設備を本格稼働させた。ディスプレー用材料を手がける菊陽工場で半導体材料を生産するのは初めて。  生産するのは、半導体表面を均一にならすための研磨剤「CMPスラリー」。米国、台湾、韓国に次ぐ4カ所目の製造拠点となる。投資額は約20億円。台湾積体電路製造(TSMC)の子会社JASMが菊陽町に建設した半導体工場などに供給するという。  富士フイルムは同じ菊陽工場に、半導体の画像センサー用カラーフィルター材料の生産設備導入も計画。投資額は約60億円で来春の稼働を予定している。現在の従業員数は約230人だが、半導体関連の設備導入に伴い、今後5~10人を新規に雇用する。  この日は菊陽工場で半導体材料の生産拠点としての始動式があり、蒲島郁夫知事らが出席。後藤禎一社長は「半導体関連企業が進出する熊本では投資が活発化している。半導体材料の中核生産拠点として重要な役割を担い、日本そして九州の半導体産業に貢献したい」と述べた。(田上一平)

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