(ブルームバーグ): 欧州最大の自動車メーカー、独フォルクスワーゲン(VW)はバッテリー事業パワーコーに外部投資家を招き入れる計画を保留する。電気自動車(EV)需要の鈍化で事業の見通しが怪しくなっていることも背景にあり、自動車業界はEVへの移行で厳しさを増す現実に直面している。
部外秘の問題を話しているとして匿名を要請した関係者によると、自社製バッテリーの大規模な生産が可能なのかという疑問が浮上したVWは、投資家との協議も棚上げとした。パワーコー事業の株式売り出しや今年または来年の新規株式公開(IPO)の可能性について、同社はもはや優先目標に位置づけていないという。
この報道を受け、ドイツ市場で取引されるVWの優先株は下げに転じ、一時1%安となった。同社株価は過去1年で1.9%下落し、時価総額は640億ユーロ(約10兆2100億円)となっている。
ただ、状況は流動的で、市場が改善すればVWは計画を前進させる可能性も依然あると、関係者は語った。ブルームバーグがまとめたデータによると、2023年は金利上昇を受けてIPOにとり過去10年余りで最悪の年だった。
仏ルノーグループも29日、EVおよびソフトウエア開発を手がける「アンペア」部門のIPOを取りやめると発表していた。
ルノー、EV部門「アンペア」のIPO取りやめ-市場環境を考慮 (3)
原題:VW Is Said to Put Battery Unit IPO on Backburner as Market Cools(抜粋)
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